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シャチとイルカの共演3 ページ39

そう思ってたのに、乱歩さんとの仕事の帰り道に、アンドレ・ジイドを見つけてしまった。

触らぬ神に祟りなし。完全に無視して通り過ぎようとしたその時、脳裏に自分と乱歩さんが殺される映像が浮かんだ。

やる気満々か。ならば仕方ない。
私は乱歩さんを抱え、地面に転がった。

「……ほう?」

ジイドは感心したように、そう呟いた。
ああ、バレた。今の回避行動で、織田作が天衣無縫を持っていることがバレてしまった。
なんで。
どうしてうまくいかないだろう。
私はただ、織田作を助けたいだけなのに。

「いった、何するんだよ織田作!」

乱歩さんが私の後ろで呑気に文句を垂れている。

「乱歩さん、逃げてくれ」

私は乱歩さんにそう言った。
流石に乱歩さんを狙われて、守りきれる自信がないからだ。
探偵社員となった私は、拳銃を持ち歩かない。
反撃手段がない。やられたらやられっぱなしだ。

「乃公の名前はアンドレ・ジイド。貴君の名は?」
「……織田作之助だ」

強制イベントか。なんてままならないんだ。

「予感があった。この国で、貴君に出会えると」

乱歩さんが「この外国人知り合い?」と尋ねてきたので「違う。初対面だ」と返す。

「貴君こそ我々が求めていた唯一の救い。さあ、銃を抜けサクノスケ」

ジイドは、俺の体のどこに銃があると思っているのだろう。

「悪いが、俺は人は殺さないんだ」
「……なに?」
「殺して欲しいんなら、他を当たってくれ」
「ああ、貴君はマフィアではないのか。ならば仕方ないな」

これは案外引いてくれる感じなのか?
流石に民間人に自分を殺してくれ、なんて言えないもんな。
アンドレ・ジイドは拳銃をしまい、不敵に笑った。

「貴君を戦場に引き摺り出そう」

そう言って仲間を引き連れ、撤退していった。

……ちょっと待て。それは、それはいけない。
まさか子供達を狙うつもりじゃないだろうな!?

混乱の最中にいる私を乱歩さんが小突いた。

「織田作、君は子供達のところにいた方がいい。彼、否、彼らは君を狙うだろう」
「ああ」

乱歩さんが言うなら絶対だ。彼らは子供達を狙う。殺されてしまう。子供達は守らなければならない。私が、この手で!

「どういう理由かは知らないけど、全く迷惑な奴らだね!」
「まったくだ」

私は乱歩さんの言葉に強く同意した。

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翡翠 - 凄い文章力の羅列…裏山しいたけ(古い)何なんだ !あなたは !天才か! ?文豪じゃないのk(( はい。これからもどうか、頑張っていってください !更新を心待ちにしております!!! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)
らい - 面白い........!これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年8月9日 2時) (レス) id: 3b0d55ccc1 (このIDを非表示/違反報告)
チューリップ - 織田さんの成り代わりある様でないですよねぇ〜。更新待ってまーす (2019年4月4日 1時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2018年12月3日 15時) (レス) id: 81fb36e344 (このIDを非表示/違反報告)
世桜 - 凄く面白くて、一気読みしました!!細かな心情が描かれていて、続きが気になります。更新心待ちにしています。頑張って下さい! (2017年4月10日 0時) (レス) id: f27162b486 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まあじ | 作成日時:2016年6月12日 11時

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