ぶっ壊せ!7 ページ15
その日から太宰は私を見かけたら手を振るようになった。
流石に幹部相手に手を振り返すのもアレなので、軽く会釈をすることにした。
今まで全然見つからなかったのに、ここ数日毎日のように見かけるのはなぜだろうか。
意図的に太宰が私とすれ違うようにしているか、以前の私の探し方が悪かったか……
いや、そういえばポートマフィアは出張とか遠征なんてものもあったんだったな。私はどこにも属していないので無縁の話だ。
きっと太宰は出張に行っていたのだろう。なるほど、道理で見つからない訳だ。
仕事が終わり、帰る支度をしていると太宰から声が掛かった。
「や、お疲れ織田作」
「太宰か。どうした?」
「実は私の行きつけの酒場があってね。ぜひ君と行きたいなと思って」
「なぜ私を誘う?」
話すの二回目で随分馴れ馴れしいな、太宰治。
「この前医務室まで運んでくれたろう? そのお礼」
「そうか」
なら別にいいんだけどさ。
というか原作読んだ時から思っていたのだけれど
「だが太宰、お前まだ未成年だろう。飲酒は違法だぞ」
「
いや、まあ
「……それもそうか」
「……ふ、あっははは、やっぱり織田作は最高だよ!」
突然笑い出したぞこいつ。
「ほら、早く行こう! 私の奢りだから!」
「そこまでは流石に頼めない。自分の分は自分で払う」
流石に子供に奢ってもらって平気なほど厚顔無恥じゃない。
「いいって、奢らしてよ。お礼なんだから」
そりゃ、給料はそっちの方がいいんだろうけど。
・
結局、流されるまま奢られてしまった。
「太宰、飲み過ぎるな。体に悪い」
「織田作だって飲んでるじゃな〜い」
「私は成人しているからな」
「えー、全くもー、織田作はいつまで経っても私の事を子供扱いするんだから……こう見えても幹部だよ?」
「知っている」
「……えっ!? 織田作、知っていたのかい!?」
一気に酔いが醒めたような反応をする。
いくら友達が居ないからってそのぐらい知っとるわ。
「ああ、有名だしな」
「知っててタメ口だったの……」
あ、それもそうだな。織田作はタメ口だったからつい私もタメ口にしてしまった。
「敬語の方が良かっただろうか?」
「いやいや、いいから! タメ口でいい、寧ろタメ口がいい!」
「そうか」
因みに私はどうやら酒に強いらしいので、酔う事があまりない。
というよりも、酔う事が怖い。
もし、酔って『私』が出てきたらと思うと、中々外じゃ酔えないのだ。
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翡翠 - 凄い文章力の羅列…裏山しいたけ(古い)何なんだ !あなたは !天才か! ?文豪じゃないのk(( はい。これからもどうか、頑張っていってください !更新を心待ちにしております!!! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)
らい - 面白い........!これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年8月9日 2時) (レス) id: 3b0d55ccc1 (このIDを非表示/違反報告)
チューリップ - 織田さんの成り代わりある様でないですよねぇ〜。更新待ってまーす (2019年4月4日 1時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2018年12月3日 15時) (レス) id: 81fb36e344 (このIDを非表示/違反報告)
世桜 - 凄く面白くて、一気読みしました!!細かな心情が描かれていて、続きが気になります。更新心待ちにしています。頑張って下さい! (2017年4月10日 0時) (レス) id: f27162b486 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあじ | 作成日時:2016年6月12日 11時