報復し終わったんで幹部に思う存分溺愛されたい件について 【短編集】

詐欺師と屑は語りたい ページ18

ut「っはぁ〜…まじどうしたもんかなぁ…」
ci「…あー。なんや大先生でしたか。
どしたんすか。」
ut「んー…なんやチーノか。自由にし。」

そうして、2人はダラダラと喫煙室でタバコを吸う。

ci「んで、大先生どうしたんすか。そんならしくないため息吐いて。」
ut「う…なんやチーノ聞いてたん？」
相変わらず目敏いわぁ、なんて、煙を蒸かして口の端を歪ます。

ut「いやちょっとなぁ、Aちゃんはどうやったら奪えるかなぁってな、」
他の女と違って大事にしたいんよ、なんてイケメンなことを言う大先生だが、言ってることはただのクズである。

ci「え、なんなの、大先生もなん？…うーわ、だるいわぁ。」
くしゃくしゃと前髪を崩した後タバコを吸うチーノ。
どうやらチーノもAを狙っているらしい。

ut「まじであの娘、全然落ちそうにないんよ。
ほかの女とタイプが全く違うんやから、俺でも難しすぎてどうにもならんわ」
はは、と頼りなく笑ってから上を向く大先生は、どこからどう見ても恋に悩む高校生だった。

そのミスマッチ具合にチーノは一度吹き出したあと、煙を楽しそうに吐き出した。

ci「はぁ〜ッ、まじ面白いわ大先生。やっぱそういうとこ好きやで？」
とんとん、と灰を落とすとチーノはいつものようにあざとさ全開の笑みを浮かべる。

ci「簡単にはA渡さんからな、覚悟しといてくださいね！」

では！と浮き足立って去っていくチーノ。
その姿を見届けた後、「こうでなきゃ燃えんよなぁ」と微笑んで大先生も喫煙所を後にした。

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