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薄暗い部屋の中。
煙草の匂いと香水の匂いが混ざったこの何処か甘ったるいのに苦みが漂うなんとも言えない空間。
「あれ、もう帰んの？」
慣れた手つきでライターをカチッと鳴らし煙草に火をつけた彼。
「うん。会社行かないといけないから」
はあ....私何してんだろう。
結局まんまと樹のペースに流されちゃってるじゃん。
あれほど会わないと決めていた彼のことをすんなりと受け入れてしまった。
言い訳になるかもしれないが、
昨日は絶対に帰るつもりではいた。
3ヶ月も樹と会わずに耐えれていたんだよ？
けど樹が帰り際にあまりにも悲しそうな表情で、
『まだ一緒に居たいんだけど』とか言うもんだから帰るにも帰れなかったワケで。
でも逆に聞きたい。
好きな人からそんな言葉を言われて素直に帰れるっていう人がいるのだろうか。
冷静になった今考えても私には無理だ。
とりあえずベットから起き上がり下に落ちている服を拾いかき集める。
「また連絡して」
「....うん。」
押しに弱い人って世の中に沢山いると思うけど
私ほど押しに弱い人間いるのかな。
そう思ってしまうほど私が樹から完全に離れる事は難しい問題のようだ。
樹も私のそういった性格を全て分かっているから、都合のいい女を求めている彼にとって私みたいなタイプはまさに好条件なんだろう。
「A。」
「なに？」
「こっち来てよ」
煙草を灰皿に押し付け火を消しながら、おいでおいでと手招きをする。
え？
なになに。
どうしたらいいのか分からずただ見つめていると、手首を引っ張られギュッと抱き締められる。
「Aの髪の毛って綺麗だよなー」
「いきなりどうしたの？」
そんな風に褒めてくれたからってもう私は前みたいに浮かれたりしないんだからね。
そんなこと考えていると、
樹が何やらゴソゴソとしだして私から少し距離をとった。
「ちょっと目、瞑って」
「え？今...瞑ればいいの？」
そうそう、と頷く彼を見て大人しく言われた通りに目を閉じた。
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つくね(プロフ) - 榛名さん» コメントありがとうございます。段々と松村が行動していくので楽しみに待って頂けると光栄です！ (2021年10月31日 0時) (
レス) id: a9a3fb45a1 (このIDを非表示/違反報告)
榛名 - 松村との恋の行方も気になるけど全裸待機します！！！、 (2021年10月28日 23時) (レス) @page24 id: ec0e9967f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つくね
| 作成日時：2021年10月14日 0時
