prologue ページ1
.
呼吸が出来なくなるほど好きになってしまった。
久々の恋だった。
けど報われることはきっとないんだろうと分かってしまった。
だから今日で最初で最後にするんだ。
彼には所詮、私の事なんて大勢いる女の子の中の1人としか思ってもらえてないから。
「A、可愛いね」
月明かりに照らされた彼が私の目を捉えて恥ずかしげもなくそんな事を言い出す。
って言ってもこんなのはいつもの話だけど。
これで浮かれていたのは本当に最初の頃だけ。
「口が上手いよね、樹って」
「俺は正直だから本当に可愛い子にしか言わないよ」
そう言い、私の頬に手が触れると彼の顔が近づきそのまま唇を奪われた。
「んっ、」
苦しくなって樹の肩を叩くと一瞬だけ唇から離れる。
私の心情なんて何も知らない樹は満足気な顔をして何処か嬉しそうに私を見るとさっきよりも深いキスをしてきた。
いつまで私はこの関係でいるつもりなんだろう。
そうずっと考えていた。
彼への気持ちがこれ以上大きくなる前に、
この終わりの見えない恋に終止符を打たなければ。
実際、彼を好きになるのは危険だということは出会った頃から何となく分かっていた。
それでも好きになってしまったのは私が悪いのかもしれない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1543人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つくね(プロフ) - 榛名さん» コメントありがとうございます。段々と松村が行動していくので楽しみに待って頂けると光栄です！ (2021年10月31日 0時) (
レス) id: a9a3fb45a1 (このIDを非表示/違反報告)
榛名 - 松村との恋の行方も気になるけど全裸待機します！！！、 (2021年10月28日 23時) (レス) @page24 id: ec0e9967f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つくね
| 作成日時：2021年10月14日 0時
