りょうかたおもい２ M.I

29 Mizuki.I ページ29

―Mizuki Side―


「はい、そんなやっとかっこよくなった隠れヘタレの瑞稀くんに嬉しいお知らせです。」


「なに？」









…色々余計な言葉がついてる気がする。









「実はAちゃんと作ちゃん、二人きりってわけではないんです！」









…ん？









「正確に言えば5人…いや、6人？です。」









…んん？









「そしてその中には俺と瑞稀も入っています！」









…ごめん、いまいち意味がわからない。









怪訝そうな顔をしているであろう俺に、だから瑞稀とAちゃんがお互いにあまりにも拗らせてるから俺が強制的に2人が一緒に見れるようにしたの、なんて得意げに言うはしもっちゃん。









「そっか、ありがと。


…でも悪いけど俺はAと2人で見たいから攫うから。」









たとえ作間と二人っきりじゃないとしてもAと一緒に花火を見る男がいることに耐えられる気がしない。









増してやはしもっちゃんはいくら親友でも要注意人物だ。









…この人は簡単に頭撫でたり抱きしめたりできちゃうもんね。









「瑞稀、顔怖いよ？


…あ、攫ってもいいけど誘拐とか犯罪はダメだよ？」









だからさっきから一言余計だって。









かなり失礼なはしもっちゃんにそんなことを思いながらも1年生の時から変わらず応援してくれる親友の気持ちと、どんな形であれAと一緒に花火を見れるということが嬉しかった。









「でも、誘えるなら自分で誘いたいな。」









独り言のつもりが隣にいたはしもっちゃんには聞こえていたみたいで、瑞稀が成長してる…！と目を輝かす。









…今日はやけに失礼だな、この人。

30→←28 Mizuki.I

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す