給仕係のメモ：無能は粛清対象 ページ10
書記長様は耳元に指を添えたが思っていたよりも煩かったのかその場で軽く仰け反っていた。
「トﾞンﾞちﾞぃﾞぃﾞたﾞすﾞけﾞてﾞぇﾞぇﾞ！！」
「うるっさ！！ボリューム考えんかい！！」
書記長様だけでなくこの場にいる全員に音漏れで聞こえるくらいの声量ならまともに聞いた書記長様はたまったものではないだろう。
「……今のは大先生やな……どうせまた書類捌かれへんくて死んでるんちゃうん？」
「まぁ……そやろな……」
まだ耳が痛いのか、その整った顔を歪めて耳を抑えている。ご愁傷さまです……
「給仕君もついでに行くか？挨拶先済ませた方が後楽やろ」
「ではお願い致します」
「ついでに鬱の奴を粛清してやる……」
先程まで優しく紹介や説明を行って頂いた書記長様の顔が鬼や般若のそれに豹変する。あぁ、鬱様。お疲れ様でした。色んな意味で。
額に青筋を浮かべながら幹部達の自室が並ぶ二階へと戻ってくる。
鬱と札が掛かる部屋を無遠慮に、そして至極乱暴に開け放つ書記長様に続いて入室した。
「オラァ鬱！！手伝う前に粛清や！！」
「にﾞゃﾞあﾞあﾞあﾞ！！トンち！！ごめん！！でもほんま助けてぇぇええ！！」
青く光る刀身を華麗に避けながらきったぇねぇ叫び声を上げる黒縁眼鏡の人物は書記長様の怒りを浴びる前から既に半泣き状態だった事をその鼻水が物語っていた。
この国の名物とも言える幹部同士の内ゲバを間近で拝見し、巻き込まれたくない一心で出来るだけ気配を消して部屋の隅で眺めていた。
「ん？あれ？その子誰？」
ようやく一段落したのか鬱様がこちらに視線を向け不思議そうに見つめてきた。
「新しい給仕係君やで。ほら、挨拶しぃ」
「この度幹部棟に配属されました給仕係です。よろしくお願い致します」
「あ、鬱です。よろしゅう」
烏羽色の髪は前髪が長く、時折その顔の右半分を隠してしまっている。瑠璃紺の瞳も記憶に残りやすいが、何より強く印象に残ったのは安っぽいスーツから香る女物の香水とキャラメルのような甘い香りが特徴のこの匂いは……ウィンストンキャスター……彼が喫煙者であるとこを訴えていた。
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加藤(プロフ) - 花緑青さん» しております！が抜けてました・・・ﾊｽﾞｶｼｲ (2019年8月23日 4時) (
レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - 加藤さん» 加藤様コメントありがとうございます！直球の告白有難く受け止めさせて頂きます。まだまだ酷暑が続きますので加藤様もお気をつけてお過ごし下さい。 (2019年8月21日 12時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - す、好きです！！！！！！癒しをありがとうございます！！！！お体にお気をつけて！更新も楽しみに！！！ (2019年8月21日 6時) (レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - ねむるさん» ねむる様コメントありがとうございます。某イルカはWindowsの何かのツールで出てきたコンシェルジュ的なキャラクターですね。｢お前を消す方法｣などで調べると画像が出てくると思います。給仕君を気に入って頂きありがとうございます！きっと彼も喜んでいると思います (2019年8月20日 21時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - 男主くんの設定すごいすきです...。某イルカのオマージュ分からくて地元の水族館のイルカ出てくるCM思いつきました() (2019年8月20日 20時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花緑青 | 作成日時：2019年8月16日 8時
