脅威の記憶 ページ9
「さぁ……そこまでは分からんけど少なくとも嫌悪してる奴をこっちに入れることはないから安心しぃな」
「はあ……落胆させる事の無いよう誠心誠意務めさせて頂きます」
「ふふ、グルさんに興味持たれたら色んな意味で厄介やぞ〜多分飽きるまで絡んでくると思うけど頑張ってぇな」
まじか。まじか……！！
心から愛する「平穏」の二文字が音を立てて崩れ落ちて行く気がした。
「……ん？なんか美味そうな匂いすんな……」
書記長様の呟きに合わせて香りに意識を向けると確かにキッチンの方から空腹を誘う香りが漂ってきた。
特に何の警戒もせず、書記長様がひょっこりキッチンを覗くとあぁ……と溜息のような声が漏れ出たのを聞いて俺も書記長様の隣に移動する。
「ん？トントンやん。こんな時間にどうしたんや、腹でも減ったか？」
「いや……それ完全にこっちのセリフやねんけど……」
呆れたような声で書記長様が見つめる先には若竹色のフード付きツナギを身に纏う細身の男性が器用に羽根付き餃子を焼き上げていた。この方は……
「ゾム様……またお召し上がりに……」
「ん？あれ、一般兵棟の給仕君やん。なんでこっちおんの？」
「あれ、ゾム給仕君の事知っとるん？」
「いやこっちで飯食った後まだ食い足らんくって一般兵棟の飯食ってた時この給仕君に色々してもらってん」
「何してんのほんま……」
がっくりと項垂れる書記長様と対照的に耳に残る高音の高笑いと共に焼きたての餃子がその口にどんどん消えていく。
いやほんと、一般兵に混ざって配膳列に並ぶ幹部を一目見ようと集まった使用人やら他部署の一般兵のせいで食堂は軽くパニックだったし、業務がめちゃくちゃ滞った苦い記憶が割と何個もあるのでゾム様の印象はあまり良くない。
目深に被ったフードのせいで目元は見るとこはできないがイタズラする時や他の幹部の方と組手している時などよく目が光る……らしい。あまり詳しくは知らないが……フードからはみ出た香染色の髪も中々目を引く。
「この給仕君グルさんの興味惹いたみたいやで？」
「え、ほんま？はえー無関係の一般兵からなんて珍しいなぁ」
「せやろ？」
「あの、あまりハードルを上げられるのは……仕事内容も至って普通の事をして来たまでですし……」
「ははは、ま、君は肩の力抜いていつも通りやればええよ……っと、すまん通信や」
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加藤(プロフ) - 花緑青さん» しております！が抜けてました・・・ﾊｽﾞｶｼｲ (2019年8月23日 4時) (
レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - 加藤さん» 加藤様コメントありがとうございます！直球の告白有難く受け止めさせて頂きます。まだまだ酷暑が続きますので加藤様もお気をつけてお過ごし下さい。 (2019年8月21日 12時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - す、好きです！！！！！！癒しをありがとうございます！！！！お体にお気をつけて！更新も楽しみに！！！ (2019年8月21日 6時) (レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - ねむるさん» ねむる様コメントありがとうございます。某イルカはWindowsの何かのツールで出てきたコンシェルジュ的なキャラクターですね。｢お前を消す方法｣などで調べると画像が出てくると思います。給仕君を気に入って頂きありがとうございます！きっと彼も喜んでいると思います (2019年8月20日 21時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - 男主くんの設定すごいすきです...。某イルカのオマージュ分からくて地元の水族館のイルカ出てくるCM思いつきました() (2019年8月20日 20時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花緑青 | 作成日時：2019年8月16日 8時
