【d!】名無しの給仕係は今日も憂鬱

ダークヒーローはバイク乗り ページ49

「大丈夫すか？」
「えぇ、お手数お掛けしました」
「……平気なんすか？」
「？、あぁ、キスですか？はい。特には」
「ふーん……」
「あ、ショッピ様。こちらお受け取り下さい」

ポケットから出したショートピースとZIPPOをショッピ様に渡したが何故だか受け取って貰えない。

「ショッピ様……？」
「なんでキスしてたんすか？別にゾムさんのこと好きでキスしたんじゃないんでしょう？」
「え？えぇ……しろと命令されたので従っただけですが……？」
「なら俺も命令出来るって事ですよね？」

ん？ショッピ様？

「煙草はまだ余ってます。ゾムさんとのあれ見て咄嗟に嘘ついちゃいました」
「は、あ……？」

嫌な予感がして相槌も引き攣ってショッピ様を見ると大変楽しそうに笑っていた。

「ねぇ、給仕さん。俺にもキスしてくださいよ」

厄日。流石に今日は厄日です。次の休みは必ず神社に行ってお祓いを受けようと思います。
なんなんだこのホ♂集団。幹部の1/4が♂モとか色々まずくないですか？
救世主どころか悪役で、もったいぶってヘルメットを外しながらニヤニヤと嫌な笑みを浮かべて俺を壁際に追いやった。

「あの……ショッピ様？」
「給仕さん、給仕さんの事好きって言ったらどうします？」

どうも……しないです……はい……
なんでこの人達は女の子に言いそうな台詞を俺に吐くんだ……？

「え、その……何故私なんでしょうか……？」
「さぁ、何ででしょうね？俺も同性愛者じゃないんで分からないんですけど」
「えぇ……」

俺が逃げれないように股に足を捩じ込み、いわゆる股ドンとか言うやつだったか。ショッピ様に迫られた俺には逃げ場などどこにも無かった。

「命令なら従いますが……」
「キスしたのはゾムさんだけですか？」
「いえ、エーミール様にもしております」
「あぁ、だから床でヘタったんすね」

放心していたエーミール様を思い出したのかくすくす笑う。

猫系男子に懐かれました→←そうだ。お祓いに行こう。

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