そうだ。お祓いに行こう。 ページ48
どのくらいの間キスしていたかは定かではないが、お互い息が切れるくらい絡めあった舌はいつもより過敏になっている気がする。
ようやく終わったようで、俺とゾム様の間を銀色の糸が繋いだ。
「は、はぁ……御満足、頂けましたか?」
「ぜっんぜん足りひん」
「ゾム様は胃袋もそうですけど性i欲もバカなんですか?」
「お前ほんま失礼やな」
エーミール様と対等になるべく始められたキスだったのにいつの間にかゾム様の欲を満たすものに変わり、ゾム様はまた俺に唇を寄せた。
とその時に控えめなノック音がエーミール様の部屋に響いた。
「エミさん?入りますよ〜」
聞こえて来たのは間延びした気怠そうな声で。
「エミさん喫煙室にアメスピ忘れてます……よ……」
扉を開けたのはヘルメットが目立つショッピ様だった。なんだ?今日は厄日か。違いねぇな。
俺とゾム様がキスしているのをがっつり見てしまわれたようでその言葉と身体が固まっていた。
「ん……なんや、ショッピ君か。今取り込み中やから。すまんな」
ショッピ様を見たゾム様はそう軽く言うと口付けを中断する事なくそのまま続行しようとしてきた。この人見られて興奮する癖でもあるのだろうか?なんでこんなオープンなの……
しかしショッピ様は部屋から出ることはなく、無言で俺に近づくと一瞬の隙をついてゾム様から俺を離してくれた。あら、ありがとうございます。救世主か?
「……なにすんねん」
「給仕さん。煙草切らしちゃったんでどうしても、今、欲しいんです。良かったらくれませんか?」
「あぁ……はい。かしこまりました」
「じゃ、ゾムさんそう言う事ですので」
「あ!おい!ショッピお前!」
ショッピ様はゾム様を無視して俺を抱え、すたこらとエーミール様の部屋から出てしまう。
後ろで吼えるゾム様を気にも留めないショッピ様はそのまま喫煙室に滑るように入るとようやく俺を降ろしてくれた。
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加藤(プロフ) - 花緑青さん» しております!が抜けてました・・・ハズカシイ (2019年8月23日 4時) (レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - 加藤さん» 加藤様コメントありがとうございます!直球の告白有難く受け止めさせて頂きます。まだまだ酷暑が続きますので加藤様もお気をつけてお過ごし下さい。 (2019年8月21日 12時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - す、好きです!!!!!!癒しをありがとうございます!!!!お体にお気をつけて!更新も楽しみに!!! (2019年8月21日 6時) (レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - ねむるさん» ねむる様コメントありがとうございます。某イルカはWindowsの何かのツールで出てきたコンシェルジュ的なキャラクターですね。「お前を消す方法」などで調べると画像が出てくると思います。給仕君を気に入って頂きありがとうございます!きっと彼も喜んでいると思います (2019年8月20日 21時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - 男主くんの設定すごいすきです...。某イルカのオマージュ分からくて地元の水族館のイルカ出てくるCM思いつきました() (2019年8月20日 20時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花緑青 | 作成日時:2019年8月16日 8時