怪物屋の半妖娘 (ページ37)

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9-3話ページ37

「何故出てきた…晶、危ない」

そう言ったお兄さんの体は野火丸と同様にボロボロになっていた。

「兄さんに何が起こってるの？」

「エネルギーが切れたんですよ。彼は零結石に命を与えていたんです」

このままにしておけばお兄さんは死んでしまう。折角会えた家族だ。失わせる訳にはいかない。

「ダメ。ダメだ。死んでは零結石の話は聞いていないし、晶の光は俺たちではなかったから。お兄さんだけだ！死んではいけない！」

「零…結石」

そう呟いたあきちゃんが零結石を掴み引っ張る。

「こんなののせいで兄さんが死ぬなんて許さないんだから！」

(頼られないことってこんなに辛いんだな…)

あきちゃん達に近づき一緒に零結石を握る。

「！！Aちゃん、手が…」

『大丈夫。寒いのは多少慣れてるから』

本当に多少、慣れてはいる。長時間はもたない。2人で力を合わせて引っ張る。

「僕たちは双子なんだ！痛いのも怖いのも辛いものも苦しいのも半分こしてよ！兄さん、死ぬなーー！」

その瞬間頭に流れ込んできたお兄さんのものと思しき記憶。

「晶！A！」

首だけの夏羽くんが近づいてきたかと思えば再生して零結石を一緒に握る。

よし、と3人で引っ張ろうとすれば夏羽くんが口から命結石を吐き出した。

『えっ、大丈…』

命結石が零結石とぶつかった瞬間辺りが光に包まれた。