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考え事をしながら歩いているうちに、なんだか暗い路地の方に出てしまった。
左手に住宅街、右手に公園。
どちらにせよ人通りはほぼない。
『公園…かぁ』
2時間くらいここで暇を潰して、あの人達が寝た頃に着替えをとりに戻って、それからネカフェで朝まで寝るのが賢明かな。
街灯はぽつりぽつりとしかなくて、駅に比べたら断然暗くてなんとなく心細かったけど、
“見たくないなら出ていけば?それか部屋で聞いとく?”
ジョングクのあの、棘棘しいオーラと、冷たい目を思い出して首を振る。
まぁ…。
家に帰るよりマシか。
なるべく明るいベンチを探して歩き出す。
『思ったより広いなぁ』
しかもベンチ、全然ないし。
東屋には柄の悪そうな大学生達がたまってお酒を飲んでいたから、良くないと思いつつも、自然と人のいない方に足が向かう。
暫くして、コツコツと鳴り響く私のパンプスの音とは別に、砂利を踏みしめるような音が背後から聞こえてきた。
あれ、と思って振り向いても、誰もいない。
気の所為?
だけど、私が歩き始めると、不思議とまた聞こえ始める。
しかも、さっきよりも確実に近づいてる。
なんか、やだな。
街灯には、痴漢注意!夜の一人歩きはしないで!のポスターが貼ってあって恐怖を煽る。
しかもこの先、木が生い茂っていてさらに暗くなりそうだ。
やっぱり、駅まで戻ろう。
私が振り向こうとした瞬間、
「すみません」
『わっ!』
すぐ後ろから声をかけられて、思わず声が出た。
振り向くと、キャップを目深に被った男性が立っていて、鍵を失くしたから探すのを手伝ってほしいと言う。
『もちろんです!どの辺で落としたんですか?』
「あっちらへんなんだけど」
男性が指差したのは、街灯すらない茂みだった。
もしかしたら日が昇るまで見つからないかもしれないな。
でも、そうなったらこの人は困ってしまうだろう。
『スマホで照らしますね!』
男性と共に茂みまで歩くと、
『え?』
突然、男の人に手首を掴まれた。
『あの…?』
「こっち…来て」
『え…急にどうしたんですか』
強引に茂みに引きずり込まれそうになったその時、
「バカなの?」
今度は、聞き覚えのある声が降ってきた。
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オサナイ(プロフ) - namiの部屋さん» namiの部屋様、嬉しいコメントありがとうございます^_^サディスティックなグクちゃんもいいですよね♡わかりみが深すぎますw (2022年9月24日 21時) (レス) id: 5bc8bd2025 (このIDを非表示/違反報告)
namiの部屋(プロフ) - まだ読んでる途中なんですけど我慢できずにコメントさせていただきました!何年もうらつく愛読してますが久しぶりに私のドストライクの小説と出会えました!!このドSグクのキャラ最高です大好きです!引き続き楽しく読ませていただきます!更新頑張ってください! (2022年9月24日 14時) (レス) @page13 id: bde19c8f5c (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - ukさん» uk様、勿体ないお言葉ありがとうございます;勿体なさすぎて焦りますwこれからも悶絶していただけるようにw、頑張って更新しますー! (2022年9月3日 11時) (レス) id: 507e311f10 (このIDを非表示/違反報告)
uk(プロフ) - て、天才なのでしょうかと何度も思いました。オサナイ様の書くグクが可愛くてかっこよくて何度悶絶したか…。続きを読むのを楽しみにしてます。 (2022年8月31日 18時) (レス) @page50 id: 1deb3068ed (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - せなさん» せな様、感想ありがとうございます♡勿体ないお言葉でございますッ。グクテテ、バチバチしてますね笑 たくさんたくさんバチバチします、これからもきっと笑 (2022年8月30日 19時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オサナイ | 作成日時:2022年8月11日 19時