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10話 ページ11

夕餉も食べ終え、夜も深くなった。


愛染は既に夢の中。


私は窓から星と月を見る。



和泉守「…眠れねぇのか?」



和泉守の優しい声だけが響く。


私は和泉守を見ずに答える。



『…実感が湧かないの。

皆が折れたこととか、加州のこととか。

本当は全てが悪い夢なんじゃないか、て。

…私は現実に居る筈なのに』



あの血の匂いが、音が、全てが嘘で、偽りなら…どれだけ良いんだろう。


昨日迄の楽しい、私の普通の日常…。



『歴史を変えたい、て気持ちが良くわかるよ。

どんな力を使ってでも、戻りたい、て強く想う』



和泉守「…変えるか、歴史」



『…ううん、変えない。

そんな事をしたら、皆に会わせる顔がないよ。

皆、私の為に何かを仕様とするでしょ?』



私は和泉守の方を見た。


和泉守の綺麗な瞳が、私を映す。


何時もの和泉守らしい雰囲気は無くて…。



和泉守「あんたが俺達を家族と云う様に、俺達もあんたの事を家族だと思ってる。

ンでもって、あんたは主だ。

まだ幼い人間だ。

守りたく、なるんだよ。

俺達は人間を殺す事しか出来ねぇんだけどな。

…刀は奪えても、作る事や与えることは出来ねぇ」



和泉守の顔に影が落ちる。



『…でもさ、名誉は残せるよ。

最後迄抗った事や、最後迄戦った事は。

何より…私は皆から愛情を貰ったよ。

だから…何も出来なくは無いよ』

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- 大丈夫です。ありがとうございます! (2019年6月8日 7時) (レス) id: 38888895ed (このIDを非表示/違反報告)
Iuna(プロフ) - 躪さん» ありがとうございます!リクエストの方は、明日ぐらいに公開しようと思っています。リクエストの時より、だいぶ変わってしまいました。申し訳ございません。 (2019年6月8日 0時) (レス) id: 1960f5595d (このIDを非表示/違反報告)
- 完結おめでとうございます!リクエストの件はどうなりましたか? (2019年6月7日 22時) (レス) id: 38888895ed (このIDを非表示/違反報告)
Iuna(プロフ) - Asterisk《あすたりすく》さん» ありがと〜!!(≧▽≦) (2019年6月7日 18時) (レス) id: 1960f5595d (このIDを非表示/違反報告)
Asterisk《あすたりすく》(プロフ) - 完結おめでとう〜! (2019年6月7日 18時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Iuna | 作成日時:2019年5月17日 21時

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