Episode 32 *。゚ ページ32
*
自分がいつも以上に子供に思える。
涼介を傷付けたままなのに、
こんなに幸せになってもいいのかと思ってしまう。
──── 夢みたいな幸せ。
これってもう…
私に大切な人ができた…ってことだよね。
他の事なんてどうでも良くなってしまいそうなくらい
夢中になって大切にしたいと思える人。
そう思える人が私に出来ると思ってなかった。
告白を受けてからOKを出すことなんて、
恋愛経験がない私にとってはあまりにも難しい事だった。
だからこんなにうまくいくとも付き合えるとも
思っていなかった。
好きな人と付き合えて、好きな人と一緒に過ごせて、
こんなに幸せならずっとこのままでいたいって、
そう思えるのも初めて。
大貴といると辛いことを忘れられて。
大貴といると楽しくて。つい舞い上がってしまう。
寂しい時、辛い時、嬉しい時、悲しい時、
全部大貴といたい。
数日後。文化祭当日。
────大貴とはすごくいい感じなのに…
涼介の事…未だにどうしていいかわかんない…
私は苺スイーツおすそ分けされた日から
涼介と一言も喋らず、この日が来た。
去年は周りにバレないように
マスクとかメガネとか帽子とかちゃんと付けて
私のために文化祭に来てくれた。
忙しいと思っていたのに偶然休みだったらしい。
だけど今年は全然そんな素振りもないし、
絶対来ないと思う。
毎年ファンが増えて人気が出てきて、
ドラマや映画にまで頻繁に出るようになった。
────こんなに喋らないなんて今まで無かったな…
少し沈んだ気持ちで学校に行けば、
もう生徒達は文化祭の衣装や再チェックなど
仕事に取り掛かる。
私も一応実行委員なので、
やらなきゃいけない事は沢山ある。
結衣「あぁーA!!遅いよ〜!
…って何その格好!超かわいいじゃん!メイド?!
可愛すぎて大ちゃんに渡したくないな〜…(笑)」
私の後ろからすごい勢いで走ってきて
すごい勢いの明るさで言ってきた。
自分とのテンションの差に驚く。
「えぇ…。てかちょっと廊下走んないでよ。
朝から元気な訳が全くわからない」
結衣「ええ!逆になんでそんなに萎えてんの?!(笑)
そっちの方が全然分かんないよ!」
──── さすがに涼介との関係を知られた後に
言ったら何言われるかわかんないですね…
そして文化祭開始の時間。
私達のクラスは思ったよりもお客さんが多く、
誰も休む暇なんてないくらい。
時間が経てばだんだんコップやお皿が減ってくる。
その為に私は何回も職員室と教室を往復する。
*
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MÏαyα | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miayahome1225/
作成日時:2016年10月29日 22時