17.3cm ページ47
.
図々しいお願いだとは思う。
今日あんな光景を見せてしまったのに、もう一度だけ信じて、なんて。
でも信じて欲しいのは、やっぱり本心だから。今自分の本心に嘘を吐くのは違うと思うから。
俺は包み隠さず、自分の思いを言葉に乗せた。
もう一度、俺を信じて欲しい。それで、いつものように拳くんと呼んで欲しい。
あの笑顔で、俺の名前を、紡いで欲しい。
「……あの、私も、拳くんに言わなきゃいけないことが、あって」
fkr「うん」
「……あの、今日、あんな態度取って、ごめんね」
fkr「それは俺が悪いから、Aが謝ることじゃ」
「そうじゃなくて、その…………嫉妬、しちゃったから。子供っぽくて、ごめんねって」
あぁなんだ、そんなことか。
確かに今まで嫉妬なんてされたことは無かったけど、そんなことで怒ったりなんてしない。
寧ろ、嫉妬してくれるくらい俺を好きでいてくれたんだと知れて、勝手に安心してしまった。
fkr「そんなこと言ったら、俺は現在進行形で嫉妬してるよ」
「え……?」
kwmr「あら、僕のことかしら」
fkr「そうだよ。泣いてるAを慰めるのが俺じゃなくて河村だったなんて、感謝しなきゃいけないけど流石に嫉妬する」
kwmr「男の嫉妬は醜いねー」
fkr「うるさいよ」
いーっと嫌な顔を余裕綽々と言った表情を浮かべる河村に向けて、改めてAに向き直る。
今までだって、数は普通より少ないけど、しなかったことはない。
こうちゃんと山本とハグ合戦してるの見て、俺とのハグは五ヶ月くらいかかったのに!とか思ったし。
山上や乾たちと至近距離で楽しそうにしてるのとか見たら、俺でもよくない?って思ったこともあるし。
河村と二人でご飯に行くってなったときは、ズルいと思って伊沢に愚痴ったこともある。
fkr「だからまぁ……謝らないでよ。俺別にそんなことで怒ったりしないから」
→
867人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白菜(プロフ) - SALTさん» いえいえ、私なんてまだまだぺーぺーなので見つけられなくて当然です。こんな数ある作品の中から私の作品を見つけてくださっただけでも光栄です。fkrさんの小説は他の方もかなり面白いお話を書かれてるので、是非探してみてください!コメントありがとうございました! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 花蓮さん» ありがとうございます! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
SALT(プロフ) - 白菜さんの作品を見ながらなんでこんな神作者様と神作品を見つけることが出来なかったんだろうとorz←の形でコメ打ってます((問打の方々ではあまり見ない方の小説でしたが面白かったです!遅くなっていますが完結おめでとうございます(*´ω`*) (2021年3月30日 10時) (レス) id: 17a3f4fea4 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - 本当に素敵なストーリーでした!福良さん… (2020年9月27日 21時) (レス) id: b11d0cfa2b (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - 白菜さん» そうなんですね(笑)一言一句漏らさないように読んでいたのに(ストーカーかよ)興奮のあまり見逃していたのかと思いました…実は太田さんの方の「おまけ」を見て読み直したくなったんです…。あ、因みに私、2回目どころじゃないと思います、なんなら暗唱できます(やめろ) (2020年9月6日 21時) (レス) id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ