12.1cm ページ27
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「拳くん、台取って」
fkr「はいはい、仰せのままに」
次に、台が無いとキッチンに身長が合わない所。
俺の身長に合うキッチンの物件を選んだからどうしても彼女には高すぎて、そんな彼女の為に俺の家には常に台が常備されているのだが。
その台に乗ったら普通なんだけど、乗るまでの合ってない感じが、こう、小動物見てるみたいで。
「……」
fkr「A、それお砂糖だよ」
「あ……」
fkr「なははっ、ほんとおっちょこちょい」
「……」
fkr「大丈夫大丈夫。俺味音痴だから、ちょっと甘くても普通に食べるよ」
「……うん」
fkr「もー、そんなしょんぼりしないでよー」
最後が、毎回必ず何かしらのおっちょこちょいを披露するところ。
砂糖と塩を間違えるのは今日に始まったことではなく、大体失敗するとしたらこれ。
その度にAはしょんぼりして凄い申し訳なさそうにしてくるのだが、このおっちょこちょいも醍醐味だと思ってる俺からしたら、特に問題はない。
「……作り直す」
fkr「えー、いいよ。折角ここまで作ってくれたんだし」
「でも」
fkr「じゃあ塩コショウ足したら?」
「それは塩分高くなるからダメ」
fkr「そこは厳しいんだ」
それに、こうやってしょんぼりした彼女を励ますのも、俺は結構好きだったりする。
落ち込んでるのに、変なところで意地っ張りで。
喧嘩らしい喧嘩はしたことないけど、この軽い掛け合いがどうにも心地よい。
fkr「あ、美味しい」
「それ蓮根入ってるよ」
fkr「マジで?分かんない」
「野菜好きになった?」
fkr「ううん、嫌い」
「ここまで嫌い極めてる彼氏初めて」
fkr「ありがとう」
「ポジティブ凄い」
そしてなにより、俺の為に頑張って試行錯誤しながら料理してくれている彼女が、一番可愛くて好きなんだ。
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白菜(プロフ) - SALTさん» いえいえ、私なんてまだまだぺーぺーなので見つけられなくて当然です。こんな数ある作品の中から私の作品を見つけてくださっただけでも光栄です。fkrさんの小説は他の方もかなり面白いお話を書かれてるので、是非探してみてください!コメントありがとうございました! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 花蓮さん» ありがとうございます! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
SALT(プロフ) - 白菜さんの作品を見ながらなんでこんな神作者様と神作品を見つけることが出来なかったんだろうとorz←の形でコメ打ってます((問打の方々ではあまり見ない方の小説でしたが面白かったです!遅くなっていますが完結おめでとうございます(*´ω`*) (2021年3月30日 10時) (レス) id: 17a3f4fea4 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - 本当に素敵なストーリーでした!福良さん… (2020年9月27日 21時) (レス) id: b11d0cfa2b (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - 白菜さん» そうなんですね(笑)一言一句漏らさないように読んでいたのに(ストーカーかよ)興奮のあまり見逃していたのかと思いました…実は太田さんの方の「おまけ」を見て読み直したくなったんです…。あ、因みに私、2回目どころじゃないと思います、なんなら暗唱できます(やめろ) (2020年9月6日 21時) (レス) id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
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