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1.1cm ページ3









彼女が俺を呼び出したのは、卒業論文が行き詰まって、頼る人が居なかったからだそう。
確かにあの日俺と彼女を引き合わせてくれた彼は、今頃資格試験で忙しい頃だ。それで、俺を呼んだのだろう。


そんな彼女の事情を聞いてまず思い浮かんだのは、変わった人。
だって、そうでしょ。大した仲でもない、殆ど会話も交わしたことがない俺に、急に「論文手伝ってほしい」なんて。

どう考えても変わってる。




fkr「良いですよ。その代わり、お互いタメ口でいきましょ。僕ら同い年ですし」

「っえ……あ、いや……でも……悪い……」

fkr「良いから良いから。はい、じゃあ早速論文の題材探しに行こっかー」

「……う、うん」



その日から、彼女とは一週間に二、三回顔を合わせるようになった。

彼女との論文製作は、俺自身の論文製作も正直捗ったし、なにより楽しかった。
周りの友人と同じで、彼女も俺が1言ったら10倍で返してくるような子だったけど、聞くときは本当に真剣に耳を傾けてくれて。それがどうにも、心地よくて。
つい調子に乗って要らない話までしてしまうことは、結構日常茶飯事だった。



fkr「あ、これ兎堂さんに似合うよ」

「……じゃあ、お揃いにする?」

fkr「え?」

「……ダメ?」

fkr「え、あ、いや、ううん。ダメじゃない」



そんな彼女との論文製作の為の旅で、気づいたことがいくつかある。
それは、彼女の距離感が普通の人よりも大分近いということだ。


前にも話したように、人見知りは凄いから別に初対面からガツガツ来るタイプということではないのだけど。
一度心を開くと、急にその距離感がガバガバになる。パーソナルスペース無いんですか?レベルで。

雑貨屋でストラップを見ている今だってそう。まるで恋人のように腕にぎゅっと抱きついている彼女は、どう考えても距離感が可笑しい。



まぁ、それを嫌だと思っていない俺も俺なんだけど。









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白菜(プロフ) - SALTさん» いえいえ、私なんてまだまだぺーぺーなので見つけられなくて当然です。こんな数ある作品の中から私の作品を見つけてくださっただけでも光栄です。fkrさんの小説は他の方もかなり面白いお話を書かれてるので、是非探してみてください!コメントありがとうございました! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 花蓮さん» ありがとうございます! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
SALT(プロフ) - 白菜さんの作品を見ながらなんでこんな神作者様と神作品を見つけることが出来なかったんだろうとorz←の形でコメ打ってます((問打の方々ではあまり見ない方の小説でしたが面白かったです!遅くなっていますが完結おめでとうございます(*´ω`*) (2021年3月30日 10時) (レス) id: 17a3f4fea4 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - 本当に素敵なストーリーでした!福良さん… (2020年9月27日 21時) (レス) id: b11d0cfa2b (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - 白菜さん» そうなんですね(笑)一言一句漏らさないように読んでいたのに(ストーカーかよ)興奮のあまり見逃していたのかと思いました…実は太田さんの方の「おまけ」を見て読み直したくなったんです…。あ、因みに私、2回目どころじゃないと思います、なんなら暗唱できます(やめろ) (2020年9月6日 21時) (レス) id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白菜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年8月11日 1時

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