6.1cm ページ15
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fkr「―――すみません、うちの彼女を怖がらせるのはやめていただけないでしょうか」
颯爽と現れた福良さんは、そう言って兎堂さんを自分の背後に隠し、男達と対峙する。
彼だって武道の心得なんて全く無いはずなのに、その立ち姿には圧倒的な余裕が備わっていた。
「なになに、彼氏の登場?ふーっ、かっこいいねー!」
fkr「えぇ。少なくとも女性を怖がらせる貴方達よりは、僕の方が何百倍もかっこいい自信はありますよ」
「……んだと?」
fkr「……はぁ。だから、そーゆーのがダサいって言ってるんですよ」
いつものふわふわとした雰囲気はどこへ消えたのか。
彼は一瞬で周囲の空気を張り詰めさせると、いつもより低い声で、相手にぴしゃりと言い返す。
少し離れていてもこの威圧感。
恐らく彼の正面に立っている二人は、比じゃない威圧感を感じていることだろう。
その証拠に、彼らはチッと舌打ちを溢すと、呆気なく去っていった。
fkr「ふぅ、なんとかなったね」
「……拳くん、震えてる。大丈夫?」
fkr「大丈夫だよ。Aこそ、怖かったでしょ」
「ううん。大丈夫」
fkr「嘘だー。涙目じゃん」
男達が去っていくと、彼の纏う空気はいつも通りふわふわしたものに戻った。
さっきのような低い声でもなく、優しい声音で涙目の兎堂さんと話している。
……いや、あれは流石にかっこよすぎますよ、福良さん。
fkr「あれ、山本。奇遇だね。これからオフィス?」
「やまもっくん、久しぶりー」
ymmt「お久しぶりですー!そうですそうです。今日午前で講義終わったので」
fkr「そっかー。じゃあ一緒に行く?」
「目の保養だから一緒に行こー」
fkr「ほんと、Aは可愛い子大好きなんだから」
「可愛いは正義」
fkr「まぁ分かるけどね」
オフィスに向かって先に歩いていく福良さんの背中を見て、僕はひっそりと決意する。
僕、福良さんに一生着いていきますッ!
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白菜(プロフ) - SALTさん» いえいえ、私なんてまだまだぺーぺーなので見つけられなくて当然です。こんな数ある作品の中から私の作品を見つけてくださっただけでも光栄です。fkrさんの小説は他の方もかなり面白いお話を書かれてるので、是非探してみてください!コメントありがとうございました! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 花蓮さん» ありがとうございます! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
SALT(プロフ) - 白菜さんの作品を見ながらなんでこんな神作者様と神作品を見つけることが出来なかったんだろうとorz←の形でコメ打ってます((問打の方々ではあまり見ない方の小説でしたが面白かったです!遅くなっていますが完結おめでとうございます(*´ω`*) (2021年3月30日 10時) (レス) id: 17a3f4fea4 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - 本当に素敵なストーリーでした!福良さん… (2020年9月27日 21時) (レス) id: b11d0cfa2b (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - 白菜さん» そうなんですね(笑)一言一句漏らさないように読んでいたのに(ストーカーかよ)興奮のあまり見逃していたのかと思いました…実は太田さんの方の「おまけ」を見て読み直したくなったんです…。あ、因みに私、2回目どころじゃないと思います、なんなら暗唱できます(やめろ) (2020年9月6日 21時) (レス) id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
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