変わらない距離【黒尾鉄郎】

13,幼馴染み ページ13

数年後



あの約束をしてから何年もたった今


私の横には



クロは居ません



貴方「…もう、遠い存在になっちゃった」



研磨「…まだ待つの？」



待つ



約束したもん



あの時、ちゃんと私が好きと言ってくれたもん



でもね



わかってる



「黒尾選手をいつも支えてくれてるのは誰ですか？」



聞きたくもない答え



テレビを消さないから嫌でも聞いてしまう



黒尾「大事な彼女です。俺のマネでもあるんですけどね」



些細なことだった



全国で負けたあと喧嘩した



それ以来なにも話さず卒業して


クロはプロになった



そして



新しい彼女がいたんだ




貴方「…ねぇ、研磨…もう…私…消えたい。ここから。思い出がおおい東京からも消えたい」



静かにそう泣く私を研磨は抱き締めてくれる



研磨「…俺がつれてったげる。だから、俺と結婚してくれない？彼女からじゃなく、お嫁さんになってほしいな？」



研磨からの何度目かの告白



毎回断ってた



でもこのときの私はもう限界だったのかもしれない



貴方「うん…いいよ」




研磨「え、いいの？」




うん、と微笑む私



研磨のことをほんの少し好きにはなっていた




テレビを消して



クロとの思い出を封印



貴方「…もう、クロに会うこともない。だけど研磨、手紙だけ置いてっていい？」




研磨「いいよ」



拝啓黒尾さま



テレビでいつも活躍を見ていました



立派になったね



どうか幸せになってください




私はクロとの思い出を消して



東京から出ます



さようなら









少しの期待とともに




私は研磨と




東京を出た

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