story09 ページ9
白い人に見送られながら私は無事にてっぺんについた。
不気味な廊下に扉。
深呼吸をしてノックをする。
「礼儀正しい子だねぇ。さぁお入り」
中は迷子になりそうな通路なのに、私は迷うことなく湯婆婆のところまでたどり着けた。
まるで何度も来たことがあるかのように身体が覚えていた。
この世界、私は初めてじゃないのかもしれない。
やっぱりここへは招かれたんだ。
湯婆婆「人間…ではないな…」
貴方「…癒しの力しか使えない魔女です。」
湯婆婆「…それは…お前さんが決めつけていることだ。魔法は無限大だからねぇ。どうだい?私の弟子にでもなってみるかぃ?」
魔女の弟子なんてろくなことがないことを私は知ってる。
たくさん酷いことをされて育ってきたんですもの。
休みもないし、暴力なんて当たり前。
貴方「魔法は自分で学びます。でも、私はここで働きたいんです。ここで生きたいんです。お願いします。」
湯婆婆「ま…人間じゃないだけマシかね。契約書を書きな。」
契約書とペンを渡される。
書きやすいように上がりまでつけてくれるこの人は根は優しいのかもしれない。
契約書に
『漆黒院A』と書く。
漆黒院とは、漆黒の森に住む魔女のこと。
魔女は魔女でも色々いるからね。
湯婆婆「ふんっ…贅沢な名だねぇ…いいかい?お前の名前はAだ。」
貴方「え…てもそれじゃあ今までと名前は変わりません…」
湯婆婆「苗字をとったんだよ。さぁ、おゆき」
貴方「ありがとうございます」
魔女を示す苗字の部分を取っただなんて、意地悪だ。
もう私が魔女であることは、魔法でしか証明できない。
ちょっと寂しく思うのは
どうしてかな。
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作者名:愛姫
| 作成日時:2025年1月14日 22時


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