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散らばった瓦礫を、崩れ落ちた天井から漏れる光が冷たく照らす。
俺はその中をある場所に向かって
歩を進めていた。
ーーーーー
諸「……本当にすまない。俺が、Aを殺したようなもんだ…!!」
降「…やめろ、ヒロ。」
血が滲みそうなほど唇を噛んで
悔しそうにそう呟いたヒロを
俺は低く制止した。
降「Aは、お前を苦しませるために
命を懸けて助けたんじゃないだろ」
諸「っ…」
降「今は、ヒロは組織の調査に専念するんだ。
そもそもAが死んだなんて決まってない。」
愕然とした表情のまま涙を流す
ヒロの肩を叩いて苦笑いした。
降「僕達のこんな姿、
あいつに見られたら鼻で笑われるぞ。
”何泣いてんの、だっさ”とかって。」
Aを真似て言ってみる。
俺の言葉に、
思わずといった様子で笑った彼は
涙をふいて頷いた。
諸「…_________確かに。
Aが帰ってきた時
俺が泣いたって内緒にしてくれよな、ゼロ!」
そう言って
ヒロはすぐ本部に向かって走り出した。
ーーーーー
おそらくここだと思われる
部屋の前で足を止める。
今まで通ってきた部屋の中でも
特に崩壊がひどい。
Aが爆弾を仕掛けた場所の
一つなのだろう。
かろうじて形をとどめた
入口をくぐり部屋の中に入ると
むせかえるような火薬と
プラスチックが焦げて溶けたような
匂いが俺を包んだ。
床に散らばる
尋常じゃない量のプラスチック破片や
紙が燃えた後の灰、
溶けて汚れたサイコロのような塊。
____パソコンのキーだ。
この部屋はAの…
"プリンセス"のテリトリーだった情報室。
おそらくAは
情報の修復が出来ないように
ここを爆破したのだろう。
部屋中を見渡すと、崩れた瓦礫の隙間から
光るものが目に入った。
何かと思い近付いて
それを拾い上げると____
・
降「っ………!!」
それは、ボロボロになって
既に使えなくなっている
Aの携帯だった。
・
・
胸の奥から様々な感情が絡まった
気持ちが込み上げてくる。
動揺、焦燥、後悔______
そして絶望。
・
行き場のないそれらの感情は
行動でも声でもなく。
涙として俺から溢れ落ちた。
ーーーーー
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きゃんぱす(プロフ) - みーーさん» コメントありがとうございます( *´﹀`* )私も警察学校組と夢主の絡みがとても好きで、鍋パのお話なんかは書いていてとても楽しいです〜!続編の編集がんばります!どうぞお楽しみに♡ (11月21日 19時) (レス) id: 75fb2e5163 (このIDを非表示/違反報告)
みーー(プロフ) - こんにちはコメント失礼します!夢主と降谷さんたちの関係性がすごく好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (11月21日 19時) (レス) @page50 id: 6c5220a1e1 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんぱす(プロフ) - #バボスコ推し#萩原推し#ゼロヒロ#低浮上さん» うぎゃあぁぁあご観覧&コメントありがとうございますううう(*T^T)!!萩原さんの大人な余裕!みたいなところが個人的にとても好きです( ´∀`* )b更新頑張ります!ぜひお楽しみくださいね! (2018年11月7日 7時) (レス) id: 71fb99b34f (このIDを非表示/違反報告)
#バボスコ推し#萩原推し#ゼロヒロ#低浮上(プロフ) - うわわわわわわわ萩原さんと降谷さん好きなんで二人だけのシーンありがたいですうううこれからも頑張って下さいいいいいい (2018年11月7日 7時) (レス) id: 0dbf445205 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんぱす(プロフ) - ジャッキーさん» コメントありがとうございます(*´∀`*)!どうなる夢主…!!今後にぜひご期待ください…!!更新頑張りますね! (2018年10月21日 17時) (レス) id: 71fb99b34f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃんぱす | 作成日時:2018年10月1日 18時