階級・甲の癸さん拾陸

702話 ページ8

鬼舞辻「…確かに出来るものなら貴様は私のものにしたい。

だが…それがどうしても無理だと言うのなら、私は容赦なく貴様を」



『殺せないくせに。』



鬼舞辻「勘違いをするな、私は…」



そう言う鬼舞辻さんに歩み寄る。



それなのに攻撃をして来ようとはしない。



鬼舞辻「…何故、」



『どうして攻撃出来ないか？そんなの…分かってるでしょ。』



そう言うと、僕ではなく他の人に攻撃をしようとする。



『全集中、生の呼吸…弐ノ型・生霊の鼓動。』



生霊の鼓動でみんなを守り、僕自身は守らず近付く。



『…みんなを狙うのなら、その前に僕を殺さないとならない。

生霊の鼓動は…僕が自分の刀で結界を壊しに行くか、僕が死ぬまで…守るための結界を張り続ける。』



鬼舞辻「っ…何故、どうして、其処まで…！」



『大切だからだよ、みんなが。』



胡蝶「…Aさん…。」



…自分の命に賭けてでも、みんなを守りたいと思っているんだよ。



『貴方にだって…その気持ちが、あったくせに。』



鬼舞辻「…あるわけがない、私は…完璧になるんだ。」



『貴方が完璧に拘るのは、鬼になった経緯があるから…だけではないでしょう。』



数cmの距離まで近付き…鬼舞辻さんを見上げ、目を見ながら問う。



『…守りたかった…守れなかった存在が居るから、そうなるんでしょう。』



知っててごめんね、助けさせて。



…僕に貴方を…救わせて、ください。

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