階級・甲の癸さん拾陸

727話　鬼舞辻side ページ33

鬼舞辻「…春姫の、」



麗美「友人の雪宮麗美(ゆきみやれみ)と言います。」



ある時外に出ると、春姫が友人だと言っていた女を会わせると言って連れて来た。



…上品な佇まいに上品な口調…良い所の娘と言った所か。



鬼舞辻「初めまして、鬼舞辻無惨と言います。」



まだ極一部の人間にしか私の名前は伝わっていない…だから名前を出そうとも特に問題はないだろう。



そう思いながら答えると、雪宮麗美は少し驚いた顔をした。



麗美「…春姫ちゃん、鬼舞辻って…」



春姫「あ、えっと、」



鬼舞辻「妻がいつもお世話になっています。」



今此処でまだ結婚もしていないと言えば妙な混乱を起こしてしまうかもしれない。



それならば、どうせその内なる話でもある…だからこう言っておけば良い。



…と、私は思ったが…春姫はそうでなかったらしく、顔を赤くして困っている。



麗美「春姫ちゃん旦那様居たのね…！それも素敵な方…！」



春姫「…はい、そうなんです、私にはもったいないくらいで。」



そう言いながら照れ笑いをする春姫。



…可愛い、人前でなければ抱き締めていた所だ。



麗美「そっか…！」



「羨ましいな」と言いながら春姫に近付き上品な笑い方をしている。



…それなのに、何処か胸騒ぎがするのは何故だ。



春姫「私が唯一自慢出来ることだから…嬉しいです。」



…嫌な予感がする。



だからこそ…春姫は私が、守らなければ。

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