階級・甲の癸さん拾陸

695話 ページ1

『…よし、』



童磨「A。」



突然声を掛けてくる童磨さん。



見ると、少し眉を下げながら僕を見ている。



童磨「…無惨様なんだけど。」



…やっぱりまだ終わりではないか。



何となく分かっては居たけど…もうこれ以上戦いたくないな。



『鬼舞辻さんは、何処に居るんですか？』



今無視して帰るわけにはいかないだろう。



きっと…今此処で、戦うことになる。



童磨「…行くの？」



『今行かせようとしてましたよね？』



猗窩座「…一人で来いとのことだが、」



『行きますよ。』



伊黒「…おい、」



『大丈夫です、ちゃんと終わらせますし…あなた達来たら厄介なんですよねぇ。』



…話で終わらせたい…そのためにも、僕は鬼舞辻さんと話さなければならないの。



『みなさんは、此処に居てくださいね。』



桜花「…大丈夫なの？A…。」



『大丈夫。』



ブレスレットをおうちゃんの手に渡す。



『…帰って来るまで、預かっててよ。』



桜花「…だから、フラグだってば…馬鹿。」



『フラグは？』



桜花「折るために存在する、だよね？」



『そうそう。』



そう言いながら笑う。



『…此処に居てよ、雪希さんが逝った此処に…もう暫くの間だけでも。』



桜花「…分かった。」



…何かね、今は怖いことが何もない。



まるで…この時を待っていたようにさえ感じれる。



…鬼舞辻さんとの話し合いが終わったら…全てが済む。



…そんな気が、するから。

696話→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す