階級・甲の癸さん拾伍

691話 ページ47

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ごめんなさい。



ごめんなさい煌先輩。



助けられてばかりで、助けられなくて。



本当にごめんなさい。



帆「…Aは悪くないからな、思い込むなよ。」



…でも、僕が何か気付いていれば。



桜花「気付けなかったのはみんな同じなんだから。」



でも、僕はいつも出さなくても煌先輩は気付いてくれた。



『大丈夫だよ？僕は全然。』



…嗚呼ダメだ、閉じ籠ってしまう。



誰もいない奥深くへと。



“家族”だけにしか、もう、



『僕には“家族”が居るからね！』



…他に心を開けない。



扉の中に閉じ籠もろう。



そうすればもう怖いものなんてない。



…ダメ、ダメなのに。



ちゃんとそのくらいは分かっているのに。



…どうして、僕はこうなんだろう。



こんな僕…生きている意味、あるのかな。



…あるわけないじゃんか。



生きている意味も、価値も、何もかも。



僕なんて、早く、死んでしまえば、



「癸さん！」



…誰？



僕は、もう…



『…はい？』



「私も一緒に遊んでもいいですか…！」



…光が射したような気がした。



みんな気を使って声を掛けようとしなかったのに。



それなのにこの人は…気にせず、声を掛けてくれた。



扉に閉じ籠もってしまっているのに。



“家族”でさえ、その扉を叩くのに躊躇するのに。



『もちろん。みんなで遊ぼうか。』



この人は、



…埜田雪希は、何も気にせず…僕の扉を、叩いた。









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