愛され体質？下らない。

36　国見side ページ40

澪「A、バレー好き好き言ってるでしょ。」



そう言われ、何回か言ってるのを聞いたのを思い出して頷く。



澪「この子さー、バレー経験者なんだよね。」



国見「…そうだったんですか？」



澪「うん、幼馴染とか親戚がやってたからとかでずっとやってたんだって。」



国見「なら何で辞めちゃったんですか？」



そう聞くと、顔から笑顔を消す東雲先輩。



澪「…さぁ、何でだろうね。」



きっと何があったか知っていて。



理不尽に辞めないといけなくなったから、そのことは口に出さない。



そんな感じなんじゃないかって思った。



澪「ねぇ国見くん、お願いがあるんだ。」



国見「…何ですか？」



問いかけると、東雲先輩はとても苦しそうな顔でオレを見た。



澪「Aから、バレーを奪わないであげて。」



国見「…え、」



澪「Aはどれだけ、何があったとしてもずっとバレーが好きで…プレー出来なくても、それなら支えたいって…近くで見ていたいって子なんだ。

だから…そんなAから、バレーが奪われないように…見ていてやってくれないかな。

オレは部活も違うし…近くにいてあげられないから。」



苦しそうに言う東雲先輩に…何も言えなくて。



それに…瑞和先輩に、苦しんでほしくなくて。



国見「…はい。」



オレは、そう、答えていた。

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