174話 オーロside ページ30
善逸「っ…!?」
何処からか、殴るような鈍い音が聞こえてくる。
何処からするんだこの音、耳を塞ぎたくなる。
ラギー「?オーロくん?どうしたんスか?」
善逸「…あの、誰か、殴られてません?」
さっきからずっと、誰かに向かって暴言を吐くような声は聞こえていた。
でもまさか、直接殴っているような音が聞こえてくるなんて。
俺一人で助けに行こうなんて思えないし…かと言ってこのまま放っておくのも…
ラギー「…あー、レオナさん、良いんスか?またやられてますよ、ノアくん」
ラギーさんが目を向けた方向には、フードを深く被った男が居て。
…何でやり返さないんだよ、痛いだろ…どうして…
レオナ「…放っとけ」
…は?
善逸「…此処の寮長、なんですよね」
レオナ「だからどうした」
善逸「何で放っとくんですか?いじめ、ですよあれ」
レオナ「…自分でどうにかしねえと意味ねえだろ」
…確かにそうかもしれない、けど。
この学園からしたらそうなのかもしれない、でも…
善逸「…あーもう!!怖えよ!!でも!!放っておけねぇよ!!くそ!!」
ラギー「あ、ちょっ、オーロくん!?」
俺はいつも、心優しい奴らと一緒に居た。
炭治郎は馬鹿みたいに優しくて、困ってる人を放っておけなくて。
伊之助だって何だかんだ言って良い奴で、いじめられてる奴は放っておかなかった。
俺はいつでもそんな二人について行くばかりで、誰かを助けたりとかしてやれなくて。
そんな自分に飽き飽きしていたんだ、毎日。
…だから、少しでも自分を好きになりたいから、人のためじゃなく…自分のために。
善逸「おいお前ら」
少しでも、何か出来ないかな、って。
「あ!?」
善逸「ひっ」
「何の用だよ!!」
善逸「うわ顔怖!!?…い、いやその…俺その人に用があって!!」
ノア「………、?」
「うるせぇ、今取り込み中だろ!!」
「見て分かんねぇのか!?」
善逸「いや分かりますそうですよね!?」
うっわほんと怖いんだけど!?
…でも、此処まで来たら…言うしかないよな…っ!!
善逸「…一人を大勢で囲んでそんなことして、何が楽しいんだよ」
「何だとチビ!!」
善逸「俺みたいなチビでも分かることが分かんないのかよ。…良いから、其奴から離れろよ」
こんな俺にでも、誰かを救えたら。
そう思ったんだよ、柄にもないけど。
善逸「退け」
…だから少しだけ、かっこつけれたら良いな。
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真冬 - 続き待ってます!! (2023年2月11日 20時) (レス) @page30 id: df27f919ce (このIDを非表示/違反報告)
明理(プロフ) - 善逸かっこいいとこなのに…この小説面白いのにぃ!!!更新待ってます!! (2022年6月5日 14時) (レス) @page30 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬 華怜(プロフ) - 元々ツイステと鬼滅のクロスオーバーは好きですが、この作品は特に大好きです!!更新停止になってしばらく経ちますが、何度も読みに来てしまいます笑 都合はあるかも思いますが、いつか更新していただけたら嬉しいです。待ってます! (2021年8月30日 10時) (レス) id: c829cd7d6a (このIDを非表示/違反報告)
ナム - フロイドさんよぉあんた気づいてんじゃないのか…?女だってこと (2021年8月22日 22時) (レス) id: 9ed70eacbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴおり(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気に最後まで読んじゃいました!あまり好きではない顔文字も使ってないし、分かりやすい話だし、とにかく凄く読んでいて楽しかったので、頑張ってください!! (2021年1月17日 22時) (レス) id: 746032848f (このIDを非表示/違反報告)
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