雨柱の癸さん肆

158話 ページ21

『弟くんは、お兄さんと一緒に住んでたりしないんですか？』



軽く談笑をしている最中、そんな話を出してみる。



これがあまり良い話にはならないことを知っていても、僕はこの話をしたかった。



玄弥「いや、…俺、兄貴に酷いこと言っちまったから…それからは…」



兄弟間の仲が良くないのは、見ていて辛いものなんだ。



『取り敢えず喧嘩中みたいな感じだから、早々に仲直りしちゃいましょ？』



玄弥「仲直りって…」



『したくないの？君は』



玄弥「………それは…」



結局の所、自分がどうしたいのか。



それに限るのだ。



玄弥「…また、楽しく話して笑い合えたら…って。

もし、兄ちゃんに認められて…一緒に居ることが出来たら…って。

…考えなかったことはねぇよ…だから俺は鬼殺隊に入ったんだ」



僕のように、入りたくなくて入った存在とは違う。



誰かのために、何かのために…そうして入った人達は、とても強くなれると思っているんだ。



『大丈夫！君達ならきっと上手くやれますから！僕が保証します』



不死川さんは、ずっと…弟のことを気にしていたから。



それと同じように、玄弥くんはずっとお兄さんのことを気にしている。



この二人が幸せにならないなんて、それじゃあ嫌だから。



『よし、じゃあこの任務が終わったらお兄さんの所行きましょうか！』



玄弥「は！？そ、そんなにいきなり…！」



『思い立ったら、すぐにやる！これが一番だって僕は思ってますから！』



きっと二人は、また同じように大切にし合えるから。



僕が保証する、僕が協力する。

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