雨柱の癸さん肆

155話 ページ18

真誠「何が言いたいんですか？」



僕が其処まで言うと、今まで表情も何も変えようとしなかった少年は、少しだけ下を向きながら手を握り締める。



真誠「俺の考えが間違いだと言いたいんですか？

鬼を殲滅するのは、鬼殺隊としておかしくないこと…それを目的にするのも、決しておかしくない…俺は正常だ。

それなのに何故、汚そうとしているなんて言われないといけないんですか。

それならあなたは…一体何を、求めているって言うんですか」



…何があったかなんて知らないよ、君の経験なんて、僕には分からない。



『間違いだなんて思ってませんよ、確かに君の言う通り君の言っていることは正常だ。

考えも、行動も、利用しようとしていること以外は全ておかしくない…』



真誠「それなら、何故、」



『僕と君は、意見が違ってしまっている。ただそれだけのこと』



ただそれだけのことだ、だがこれが…何よりも大きく、違ってはいけないこと。



『はっきり言いましょう。君は、雨の呼吸の使い手には…雨柱には、向いていない』



真誠「っ…何でっ！！」



『雨柱としての、基本がなっていないからですよ』



雨柱とは、鬼と人間の共存を望んでいなければなれない。



雨の呼吸は、鬼に対しても慈悲の気持ちを向けられなければ使えない。



雨柱である僕だから、それをよく知っている。



『だから諦めてください、どうしてもなりたいなら他を当たれ』



まあ勿論、雨柱にはなれないだろうけどね。



…僕にしか、雨の呼吸は使えないのだから。



それに、お館様もそれは認めないだろうし。

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