雨柱の癸さん肆

152話 ページ15

「吸収…？って、どう言うことだ？」



少年の同期らしき隊士は、どうやら僕の聞きたいことを聞いてくれるらしい。



分かるようで分からないその言葉に首を傾げつつも、次は何と言うのかと耳を傾ける。



真誠「そのまんまだけど？雨の呼吸は水の呼吸の派生である呼吸のはず。

それなら、水の呼吸の使い手である俺なら…もしかしたら使えるかもしれない。

雨の呼吸の使い手である雨柱様はかなり強いって話を聞いたから、そんな雨の呼吸を吸収すれば…俺は今よりも、ずっと強くなれるんだ。

そうすれば、俺の目的である鬼の殲滅も叶うかもしれない…だからこそ、俺は何とかしてでも雨柱様の継子になり…雨の呼吸を吸収したい。

知識として、力として、それらを全て吸収し…極め、俺のものにする。

そして俺が…真の雨柱になるんだ。

それが俺の今の目標だ、何か文句ある？」



大ありでしかないんだけどどうしようか。



いや別に、雨柱なりたいならなって欲しいし柱になりたいなら僕は辞めたいから是非お願いしたい所だよ？



でもね、なんて言うのかな…ちょっと、馬鹿にされているような気がする。



「いや、いくらお前が強かろうと、丙の一般隊士だろ…雨柱になるとか…そもそも水の呼吸だし…」



真誠「今はね、だから吸収しようとしてんじゃん。

てかうるさい、文句言いたいんなら聞かなければ良かったのに…」



別に僕が馬鹿にされる分には良いんだよ。



ただ、雨の呼吸を馬鹿にされるのは許せない…だって、



『この呼吸は、春姫さんと千雨さんが…僕に受け継がせてくれたものだから…』



だからちょっと、気に入らないね。

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