雨柱の癸さん肆

140話 ページ2

『鬼を殲滅、ですか？』



真誠「鬼殺隊の目的なんて元々それ以外ないじゃないですか。」



…ふうん。



『で？』



真誠「…え、」



『だからなんですか、それなら僕じゃなく風柱様とかの方が良いと思いますよ？

僕よりずっと鬼に対して憎しみを持っている人は居ます、そう言う人に言った方が早いですよ。』



それだけ言って歩こうとすると、腕を掴まれる。



その手を勢い良く払うと、彼はとても驚いた顔をした。



真誠「…何で、」



『少年、僕は君を継子にする気は毛頭ない。』



…彼、当然そうな顔をして…僕の地雷を踏み抜いたんだよね。



『頼むなら他の所を当たれ、僕は何があっても君だけは継子にしない。』



多分今の僕はとても冷たい雰囲気を纏って居るような気がする。



彼の驚くような目を少しの間見つめた後、すぐに歩き出す。



…僕の夢を知らない彼が、僕の夢を壊そうとする彼が、僕の継子になりたい？



馬鹿を言うのは勘弁してくれないだろうか。



…鬼を殲滅する目的を持つ彼と、鬼と人間の共存を夢見る僕。



相容れる存在ではないだろう。



『…鬼舞辻さんも、黒死牟さんも、童磨さんも、猗窩座さんも、堕姫さんも、妓夫太郎さんも、みんなみんな…僕の友達なんだよ。』



それに累は弟だ、それなのに…彼を継子にしたことで何かが壊れたら？



…そんなの嫌だ、受け入れない。



『…僕には無理だよ、そんなこと。』



彼らを失うかもしれない原因を作るなんて、無理だ。

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