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前世の話。参 ページ7

目が覚めた時に居たのは、病院だった。



どうやら刺された家族の中で唯一生きていたのは僕だけらしく、それは最早奇跡として扱われた。



妹は無事に怪我一つしていなかったらしく、目を覚ました僕に抱き着いてきた時は心底ほっとした記憶がある。



事件について知りたい記者などが来たが、それは全て受けなかった…そもそもそんなことが起きた10歳の少女に聞くのが間違いなのだ。



他の家族は死んでいて、大変だったね可哀想に、と多くの人から言われたけれど…僕には何が可哀想なのか分からなかった。



だって、あの人達勝手に死んだし。



正直自分が死ぬのも妹が助かるのならどうでも良いし…と思っていた中で、刺されている時に考えていたことを思い出した。



“其処じゃないよ、もう少し左…もう少し左が急所だよ、其処刺しても殺せない。”



どうして人の急所が分かったかも疑問だったけれど、事実それさえも僕にはどうでも良く、興味のない出来事であった。



何事も、なるようにしかならないのだ。



取り敢えずその時の僕は、周りの大人達がこれから残された僕達をどうするか…とか話しているのを横目に、泣いている妹をどうにか泣き止ませたいという気持ちでいっぱいだった。



僕はいつだって、妹が居てくれればそれで良いから。



だが10歳の少女である僕達は、どうしても大人達に頼るしか無く、いくつか出される案を黙って聞いていることしか出来なかった。



…どうせ、僕達がどんな意見を出した所で、この人達はそれを聞く気などないのだ。



それなのに、意思を尊重したいから話を聞かせてくれ、なんて知ったこっちゃない。



今までどれだけ僕達が虐待を受けて苦しんでも、いじめを受けて悲しんでも、全て父親の財力や権力により放置してきた大人が…今更何を言うのだ。



そんな大人達を信じるほど、僕達は純粋に育っていなかった。



教師も、行政の奴らも、僕達にとってはただの敵。



…それでも、どうでも良い気持ちが、何より勝っていたのが良くなかったのだろうか。



だから僕と妹は…離れ離れで生きることになったのだろうか。

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そーな(プロフ) - すごく面白いです!続編楽しみにしてます(`・ω・´)ノ (2019年10月29日 11時) (レス) id: fda0224a1f (このIDを非表示/違反報告)
夕希(プロフ) - 私の好きな、薄桜鬼と鬼滅の刃がコラボしているとか、嬉しすぎます!ありがとうございます! (2019年10月25日 17時) (レス) id: 9681d7962f (このIDを非表示/違反報告)
ユウカ(プロフ) - 薄桜鬼!懐かしい……更新頑張ってください! (2019年10月25日 14時) (レス) id: 1f4124da1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:心月美玲 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年10月25日 11時

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