運命を捻じ曲げろ。

転生の話。参 ページ12

光尊「君にはこれから、転生してもらう気なんだよねぇ、神幸Aちゃん。」



…突然のその言葉に、目を細めてしまう。



『…神様は随分突拍子もないことを言うんだね、そんなの信じられないし…もし本当にそうだとしても普通にお断りだよ。』



光尊「何で！？」



『僕の生きる意味は妹だったの、妹が居ない状態で転生とか巫山戯ないで。』



…神様なんて居るわけないでしょ。



居るなら何故、僕から妹を奪ったの。



僕から生きる意味を奪ったの。



…居るわけなんて、ないじゃないか。



光尊「まあ君の過去とか考えると、神を信じられないのも生きる意味がないと思うのも仕方ないと思うけどね〜。」



そう言いながら、どういう原理なのか宙に浮き始める彼。



何なんだ、とか思いながら見る。



光尊「小さい頃に実の母親を義母により殺され、父親に引き取られたかと思えば義母から虐待、腹違いの兄や姉からは虐待を放置され、父親は虐待を揉み消し、挙句母親により一家心中したことになって。

妹とそれぞれ違う家に引き取られたものの高校で再会出来たと言うのに、糞野郎のせいで妹は無理矢理襲われ、それが理由で妹は自ら命を絶つ…。

君はその妹を無理矢理襲った男達を殺し、自分は自らの首を切り裂いたことで自ら命を絶って…いやぁ、実に壮絶な人生を送ったものだよ。」



…僕の過去を全て無理に聞かせるように晒し、それでいて普通そうな顔をするこいつは…僕と変わらず感情が欠如しているのではないだろうか。



そんなことを思いながら彼を見ていると、彼はにこりと笑いながら言った。



光尊「そんな君だから、転生して欲しいんだけどな？」

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