運命を捻じ曲げろ。

呼吸の話。壱 ページ20

光尊「今日は君の使う呼吸についての説明をするね。」



『呼吸？呼吸ならいつでもしてるよ。』



光尊「その呼吸じゃなくてー、鬼を倒すために必須の呼吸のことだよ。

全集中の呼吸…それがなければ鬼を倒しに行っても死ぬだけだから。」



めちゃくちゃ良い笑顔で死ぬだけとか言うんだよなぁこの人は…。



光尊「取り敢えず、まず呼吸についての説明からした方が良さそうだね。」



そう言って笑った光尊さんは、全集中の呼吸について説明を始めた。



光尊「全集中の呼吸っていうのは、鬼殺隊士達が必須として習得する特殊な呼吸法。

超越生物である人喰い鬼と渡り合ほどの身体能力を得た上で、そこから“型”に沿った必殺の剣術を繰り出すことによって、岩塊よりも硬い頸を斬り落とすんだ。 

あくまでも人間が身に付ける“技術”であるため、骨身を削りながら修練を重ねる以外に習得方法はない…まあこれからやってこうか。 

……つまり、心身に修練を乗り越える頑健さを備えているのであれば、特別な才能が無くとも習得そのものは可能である事を意味するんだよねぇ。

だから秀才であるAにはよく合っていると思うんだ、全集中の呼吸は！

ちなみに、外的要因によって突如目覚める“異能”たる、血鬼術とは対極に位置するんだよ。」



『待って、ここでもう一つ疑問が。』



光尊「血鬼術についてだとしたらそれも後で説明するよ？」



…一枚上手なのほんとに腹立つ。



『…なるほどねぇ、取り敢えず人間だからこそ使えるのが全集中の呼吸…みたいな感じか。

技術だから努力によって使える…ってことは…やっぱり努力以外に方法はないんだね。』



光尊「そうそう！頭良いからすぐ分かるね〜！」



…頭だけはね。

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