階級・甲の癸さん拾弐

531話　桜花side ページ24

時透「…これが癸？本当に？」



訝しげな目で私を見てくる時透くん。



桜花「信じないなら抱っこさせないだけだから安心して？？」



そう言いながらAを抱き上げる。



そうすれば私の肩辺りに顔を擦り付けてくる。



待っっっ、可愛っっっっっ



時透「…そんなこと言ってないでしょ、早く貸してよ。」



抱っこしたいのか少しせっかちにそう言ってくる。



はー、ムカつくな？？



『喧嘩…？』



桜花「してないしてない！してないよー、大丈夫！」



そう言って頭を撫でていると、痺れを切らしたのかAを奪い取って来る。



巫山戯んな(キレ)



『っ！？！？…！！！？！？』



めちゃくちゃ吃驚してんじゃん返せ私のA！！(違います)



時透「…僕は時透無一郎。」



『む、無一郎さん…？』こてん



時透「……………」



いや時透サン、その真顔は何を意味してるんですか。



昨日Aを見てめちゃくちゃ真顔になった人が突然壁に頭打ち付けた挙句誘拐宣言してて軽く騒ぎになりかけてるんですからね勘弁してください。



時透「…ねぇ、叶。」



桜花「何すか。」



時透「この子連れで帰っていい？」



桜花「いや良いわけないでしょこてんじゃないよこてんじゃ！！

それやって可愛いのAだけだから、いや顔は可愛いけど似合うけど！！

可愛い顔で誘拐宣言するな誘拐犯二人目！！」



時透「行こうか。」



『えっ』



桜花「聞けこら顔面詐欺師！！」

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