階級・甲の癸さん拾弐

525話　不死川side ページ18

桜花「…さねみん誘拐？」



不死川「てめェ殺すぞォ！」



『ころ…！？』



不死川「あ、違ェよ気にすんなァ。」



取り敢えず今は癸を怖がらせないようにしねェとな。



桜花「嘘だよ、その子Aでしょ。」



不死川「よく分かったなァ。」



桜花(そりゃあ写真見させてもらったことあるからね。

まあAは大体撮る専だったらしいから写真自体めちゃくちゃ少なかったけど。)



『私のこと…知ってるんですか…？』



桜花「あ、うん、えーとAちゃん、今いくつ？」



そう聞くと、ちょっと俯きがちに言う。



『…十歳です、子どもっぽくてごめんなさい。』



…いやいや、十歳にしては大人っぽいだろ。



桜花「そんなことないよ、私は叶桜花。よろしくね。」



叶がそう言って笑いかけると、ほっとしたように微笑む。



…こいつこんなに純粋な反応出来たのかァ。



桜花「そっか…でも十歳…そっかぁ…。」



不死川「何だよ急に。」



桜花「いや…うん、私と出会うよりずっと前だなぁって。」



そう言いながら何処か悲しそうな顔をする叶は、きっとこの頃の癸に何があったか知っているんだろう。



…後で聞くかァ…。



胡蝶「癸さん、少し此方に来てくれますか？」



『……………お兄ちゃんも一緒…？』



そう言いながら俺を見てまた首を傾げる。



…お兄ちゃんって俺かよ…可愛すぎんだろォ。



胡蝶「うーん、服を着させたいので一度離れてくれると嬉しいです。」



不死川「だとよォ、着たらまた来い。」



『…ん、またあとで…。』



…そう言って少し寂しそうに胡蝶に抱かれて行く。



…はあ、何なんだよ…気ィ狂うなァ。

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