階級・甲の癸さん拾壱

493話　甘露寺side ページ35

甘露寺「…やっぱり、綺麗な顔してるわよ。」



頬に優しく手を添えるものの、彼女は何も反応をしない。



初めて会った時、彼女は柱候補というだけでみんなから散々言われていた。



それなのにそれを軽くあしらうような彼女は…何だか素敵って思ったの。



その時は女の子なんて思ってもなかったけど…仲良くなりたい、って思うようになった。



次に会った時、癸くんは嫌そうにしながらも、結局は本気で拒むこと無く私に付き合ってくれた。



沢山食べる私を見て引くこともなく、普通に居てくれた癸くんが、大好きになった。



それからはお饅頭を買ってきたから一緒に食べる…っていう項目で、よく声を掛けるようになったわ。



いやいや言いながらも、何だかんだそれに付き合ってくれて。



よく伊黒さんと喧嘩しているのを見るようになって…何だか仲良さそうで羨ましい、なんて感じてた。



それと同時に…こんなに一緒に居て楽しい子なんだから、みんなと一緒に居るべきって思ったの。



やっぱりあなたは思ったように沢山の人と仲良くなって…周りにいつも人が居て。



それでも忘れること無く私とも一緒に居てくれた。



何かあると避難するように私の所へ来てくれた。



それに救われていた…何言ったら変かしら？



あのね、癸くん…みんなあなたのことを待っているのよ？



私も…あなたが起きてくれるのをずっと待ってる。



だからほら、早く起きて…また可愛らしい笑顔を見せて？



お願い…



甘露寺「…っ、癸くん…」

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