階級・甲の癸さん拾壱

483話　過去 ページ25

『…おうちゃん。』



おうちゃんが、屋上から飛び降りて命を落とした。



理由は分かっていた。



埜田雪希。



彼奴が空の学校に来てから、何故かみんなは僕達を避けるようになった。



理由はすぐにわかった。



彼奴が、僕達の…特におうちゃんの、ありもしない噂を流し続けたから。



帆「…A、自分を責めるなよ…お前は何も悪くないから。」



なんて言いながら、多分一番自分を責めているのは帆兄で。



知ってる、帆兄は…少し前に、僕達の噂を耳にして…その噂を口にしていた人を強く責めたんだよね。



それから尚更みんな色々言うようになって…帆兄は悪者になった。



おうちゃんは…多分それもあって………



だからこそ、帆兄は自分のことを責めているのに。



何で僕には優しく声を掛けるの？



…彼奴は、おうちゃんを壊そうとしていたんだ。



おうちゃんは人気者で、可愛くて、いつでも愛されていて…だから…嫉妬でもしていたのかな。



だから…だから…だから…



『…返してよ、おうちゃんをっ…』



…ごめんね、おうちゃん…守るって、決めたのに。



助けられてばかりで、救われてばかりで、助けることも救うことも出来なくて…ごめんね…！！



帆「…A…、」









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…段々と、周りも何もかも、壊れて行って、









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帆兄が命を落としたのは、数日後。









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僕もそれを追うように…自らの首を切り、命を落とした。









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