白群の軌道

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「A、入るぞ」
「邪魔する」
「どうも……」

太刀川さんと二宮さん。この組み合わせ前も見たな。

「単刀直入に言う、お前はウチの隊に来てもらう」
「…はっ！？」
「は？ウチの隊だっての」
「どっちも待ってください！」

どうやら私の知らないところで何かが起こっているようだった。

「まず、何でそうなったんです？」
「お前が寝てる間に色々起きた。トリガーの不備とか前代未聞だから緊急会議が開かれて、そん時迅が頭下げた。で、責任取るとか言ってたからじゃあ本部側にA寄越せってなった」


そうか、風間さんが先程忠告してきたのは、本部に移行するということを知っていたからか。
トリガーにも問題があったとは言え、私のトリオンの管理の甘さにも一因があっただろうに。
結果として迅さんや玉狛の顔に泥を塗る事になってしまったので、自分はこの落とし前をつけるべきではないだろうか。

まず、その汚名を返上する為にもこの状況から脱却する必要がありそうだが。



「野放しになるなら、と俺の隊に入隊させることを提案したら、コイツも乗っかってきた訳だ」
「俺は生まれる前からA欲しいってずっと言ってんだよ」
「俺も五億年前からそう思ってる」
「嘘つけ。お前は長くても半年前だろ」
「二人とも何言ってるんですか」

これがまだ出水とか犬飼先輩が来てくれたなら話は早かった。なんでこの欲望の権化みたいな二人で来ちゃったんだろう、という言葉は胸中に抑えた。



「じゃあ二宮、Aと結婚できんのか。俺は出来るぞ」
「俺だって出来る。A、結婚しよう」
「プライドどこやったんだよ」
「お前が言ったんだろ」
「もうなんか大喜利みたいになってるじゃないですか」

ヒートアップする二人を宥めるのには少々手間取った。

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