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「玉狛の狙撃手の子、やばいでしょ?黒トリガーレベルっすよ」
今日は防衛任務も無かったし、誰ともランク戦をする予定も無かった。
だから放課後、直帰しようと考えていた私の手を引っ張ったのは同じクラスの出水だった。
『今日は寄ってけよ、太刀川さんと迅さんだぜ?B級ランク戦の解説』
あの二人の生解説を聴き逃すのはねぇぜ、とかなんとか言いながら半ば無理矢理ボーダー本部に連れてかれたのだ。
「そうなんだ、あんな子居たんだ?言ってくれれば良かったのに」
「何回も言ったけど、お前聞く耳持たなかったじゃん」
確かに学校で米屋とコイツには力説されたが、生憎自身ですらそうなのに、他人の成績には尚更無頓着なのだ。
興味が無いわけでは無いのだが、時間を割くのは何となく気が引けてしまう。
「白い髪の奴はともかく、大砲とメガネは別に問題にならないな。東岸で生き残れたのは実力じゃない、ただの運だ」
二宮さんは相変わらず辛口だった。
だが、言い得て妙。
初めて玉狛第二の試合を見たが、空閑くんというエースに戦力が偏っているのはすぐわかった。
「太刀川の野郎……ぬるい解説しやがって」
「ただの運……すか?でも実際メガネくんは狙い通りに生存点取ってますよ?」
「それこそ太刀川の言う『結果論』だろが。那須の気まぐれ次第でメガネはもっと早く死んでたぞ。作戦が渋かろうが砲撃が派手だろうが、大砲とメガネは実際の所一人も落とせてない」
雨取ちゃんは前代未聞のトリオンモンスター、と噂には聞いていた。
ここにいる出水や二宮さんをも凌駕すると聞いた時は舌を巻いて驚いたし、たった今拝見した大砲も今までのも観るべきだったな、と後悔するくらいには見応えがある。
それに比べメガネくんもとい三雲くんはパッとしない。というか弱い、B級に上がったのが不思議なくらい。
フォローを入れるとすれば、那須さんや鈴鳴にいい感じに揺さぶりを掛けていた。
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御霊アイス(プロフ) - Aoooooooさん» お褒めのお言葉ありがとうございます!一番好きだなんて、とても光栄でございます。まだまだ精進いたします。お身体に気を付けて、これからもお楽しみ頂けると幸いです。 (2021年2月2日 21時) (レス) id: 479222f424 (このIDを非表示/違反報告)
Aooooooo(プロフ) - はじめまして。深夜帯にすみません。ここ最近の作品の中で1番好きな作品で、更新される度ワクワクして読ませていただいております。これからも応援してます! (2021年2月2日 3時) (レス) id: 1ff117f59a (このIDを非表示/違反報告)
御霊アイス(プロフ) - 舞都李さん» ありがとうございます、お褒めのお言葉はとても励みになります!割と見切り発車で始めた作品なのですが、お気に召したようで何よりです。これからも精進致します。舞都李様もお身体にお気を付けください。 (2021年1月28日 22時) (レス) id: 479222f424 (このIDを非表示/違反報告)
舞都李 - 好きです…!二宮さんが最推しなので結婚しようで泣きました()更新頑張ってください、応援してます! (2021年1月27日 9時) (レス) id: 26fd9ad117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御霊アイス | 作成日時:2021年1月20日 0時