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出版社から一本の電話があった。
それは、私の写真が雑誌の一部に使われるというもの。
私が先日有明の月を撮ったものが使われると知った。
全国的に出版されるらしい。
あなたは気付くだろうか。
そんなことを思いながら桜を撮りに外に赴いた。
少しひんやりとした並木道を歩いて
一枚、また一枚と写真を撮る。
そこに高校生らしきカップルが通って来て
「昨日のFischer'sの動画見た?」
「見た、シルク最高だよな」
「え、私はマサイの方が好き」
あ、彼らの話題だ。
「シルクくらいかっこよかったら彼女の一人いてもおかしくないよな」
「居たりして!」
貴方はもう別の人を好きになっているのかな。
それとも恋愛はしばらくこりごり?
私は仲良さげに歩くそのカップルの後ろ姿を
数年前の私と諒に重ねて
シャッターを押した。
ひらひらと舞い落ちる桜の花びらに
貴方の顔が浮かんでくるようで
“愛してる”
心の中でそっと呟いた。
眩しすぎる陽射しが
無邪気すぎた私達の過去を照らしているようだった。
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819Love - 涙腺崩壊しました。これからも頑張ってください! (2019年8月13日 19時) (レス) id: 71d15e6b35 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ氏(プロフ) - 感動しました!これからも頑張って下さい (2018年11月13日 21時) (レス) id: 8d9cfe2156 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使のん - 思わず号泣してしまいました。本当に良い作品をありがとうございました! (2018年11月6日 21時) (レス) id: 51ad69ecdf (このIDを非表示/違反報告)
momomokako - 号泣しました。いい作品をありがとうございました。 (2018年8月14日 16時) (レス) id: de87504c5f (このIDを非表示/違反報告)
有枢(プロフ) - 涙が自然にポロポロと流れたきた(´;ω;`) いい作品をありがとうございます (2018年8月10日 13時) (レス) id: f414b669f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘雫 | 作成日時:2017年4月26日 17時