この恋の終わらせ方。〔完結〕

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「昔からあんな調子だから。ほらよく言うでしょ？喧嘩するほど仲がいいって」




それはそうだけど…でも……

井上くんはずっと変わらないトーンで冷静に喋っているけど、岩山さんの方はさっきからずっと沸騰したやかんみたいに熱くなっている。



そんな私の心配をよそに作間くんは落ち着いていて、「見てて」なんてなんでも分かったような顔した。






「……貸せ。持つから」






「……え？」

拍子抜けしてしまって、思わず声が漏れてしまう。




井上くんは岩山さんの手からその袋を取ると、そのままつかつかと登山コースを歩き始めた。


「ちょっと！瑞稀待ってよ！」

小走りで駆け寄った岩山さんが、井上くんの隣に並ぶ。




ナニコレ。
ナンデスカコレ。




さっきまであんなに言い合いしてたのに？
喧嘩してたのに？
険悪ムードだったのに？



今の2人を見たら、数秒前まで言い合いをしていたとは誰も思わないだろう。

それくらいに険悪ムードはどこかへ綺麗さっぱりなくなっていた。



「ほら。言ったでしょ？」

隣の作間くんが口角をきゅっと上げて、得意げに笑う。




「俺達も行こっか」

「あ…うん」


なんだかついていかない頭のまま足を動かして、作間くんと前を歩く二人のあとを追った。


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