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仕事にもすっかり慣れた入社4年目の秋。
職場環境はよくて先輩にも後輩にも恵まれていて。
私生活もそれなりに充実していて、不自由ない生活を送っている。
そんな頃だった。
「……あ」
「A…？」
職場で偶然瑞稀くんと再会したのは。
「知り合い？」
「はい」
先輩の言葉に相槌を打った私に続けて「高校の時のクラスメイトです」と瑞稀くんが付け足した。
広告代理店で働いてるって言ってたけど、ここだったんだ…
この業界では大手と呼ばれる企業で、バリバリの営業マン。
そつなく仕事をこなす瑞稀くんの姿なんて簡単に想像がついた。
それから1時間。
やっぱり彼は予想通り仕事ができる人で、商談はスムーズにまとまった。
1度社に持ち帰るということで、今回はお開きとなる。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました。今後もよろしくお願いします」
ロビーまで彼を送って、社会人としてここはきちっとわきまえて交わす挨拶。
その他人行儀がやっぱりおかしかったのか、彼は「くくっ(笑)」大きく肩を揺らして笑った。
ひとしきり笑って満足したんだろう。
「せっかくの再会だし久々に飲まない？」なんて言った瑞稀くんは私の返事は待ってくれない。
「この後も予定詰まってて今ちょっと時間ないからさ、またあとで連絡する」
「え！ちょっと、瑞稀くん！」
「じゃあね」とそれだけ言って颯爽と去っていった。
「おつかれー」
「お疲れ様です」
カンっ…とグラスとグラスのぶつかる音。
あれから本当に瑞稀くんから連絡が来て、仕事終わりに飲むことになった。
連れて来てもらったのは小洒落た居酒屋で、丸いテーブルを2人で囲む。
「準備は進んでるの？」
「まあまあかな。でも紬はこだわり強いから、俺がなんか言ってもすぐ却下」
瑞稀くんが大学を卒業してからもう一度付き合い始めた二人は、今年の春にめでたく入籍した。
そして今は結婚式の準備の真っ最中。
瑞稀が手伝ってくれないと度々紬から愚痴が届いていたけど、瑞稀くん曰く手伝おうとしても手伝わせてもらえないのが現状らしい。
「いいの？飲んでて」
「大丈夫だよ。だってAだし」
「じゃあ私が怒られたら庇ってね」
「それは嫌」
「さいてー(笑)」
なんてことない会話ができることに、笑えることに、ほっとする。
もう大丈夫だって、そう思った。
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の - 凄く感動しました。作ちゃんがもう作ちゃんで場面が想像できました。瑞稀くんが結婚するって言った時は泣いてしまいました。片想いって本当にしんどいです。作ちゃん最後は報われてよかったです。久しぶりにこんな胸が痛くなりました。 (2021年8月31日 23時) (
レス) id: 2c22fbd9c9 (このIDを非表示/違反報告)
asumin110(プロフ) - これの作間くんがあったら是非読みたいです！！！ (2021年3月6日 8時) (レス) id: 310d1e6e98 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりー - 今更感想すみません。最後めちゃめちゃ泣いたし井上担なのにすごく幸せな気持ちになりました……読んでよかったです！！ (2019年12月4日 1時) (レス) id: 533c7622c3 (このIDを非表示/違反報告)
じ ゅ き * - 呼んでて涙出てきちゃいました!! これからも作品楽しみにしてますっ (2019年10月24日 19時) (レス) id: 3ad5a89366 (このIDを非表示/違反報告)
ニャニャコ - めちゃくちゃ良かった！ (2019年8月24日 15時) (レス) id: 6881cb58fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2018年11月19日 11時
