この恋の終わらせ方。〔完結〕

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「紬は？」


私から話題をそらすために彼女にも同じ質問を振った。




「Aになら言ってもいいかなー」そう前置きした彼女は、そっと息を吸う。

…なぜだろう。

胸がざわつく。嫌な予感がする。
聞きたくないと、反射的に思った。



でも、もう遅い。









「瑞稀が好き」








頭を鈍器で殴られたような衝撃がはしった。

キーンと耳鳴りがする。


ぎゅっと胸を掴まれたように、息をするのもやっとなほど苦しい。






隣に寝転がる紬は「初めて言ったー(笑)」って、熟れたいちごのように頬と耳を赤く染めていた。









……なにそれ。





紬は瑞稀くんが好き

瑞稀くんもきっと紬が好き



私が入る隙間なんて最初から1ミリもなかった＿＿









「もうすぐ花火大会あって、毎年一緒に行ってるんだけどね。今年は告白したいなーって」








こんなことなら言えばよかった。

私が好きなのは瑞稀くんだって言ってしまえばよかった。




そしたら変わってたかな？

ねえ、変わった？






……でもたぶん。
時間が戻ったところで、私は言えないんだろう。








「A！協力してくれる？」

「…うん」



うまく笑えていたのか、それすらも分からない。

でも目の前の紬が「よかったー」ってホッとしたように笑っているから、きっと笑えていたんだろう。



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