同期と私。

25 ページ25

｢部屋戻るか｣

こんなに怒ってても私が食べ終わるまで待っててくれる重岡はやっぱり優しい



レストランを出て少し歩き人通りがすくなくなった所で重岡が振り向いた

｢お前な、なんなん今日の態度。朝は遅いし新幹線ではずっと寝とるし会議では全然しゃべらないやん｣

｢大事な仕事って分かってるやろ？なんでもっと真剣にやれないん？｣


本気で怒った重岡初めて見たなあ


熱が高すぎて他人事のようにしか考えられない

やばい、なんか答えなきゃ


｢おい聞いてるんか｣

聞いてる、聞いてるよ、ちょっと待って今返事するから

そう思ってるのに頭が着いてこない


我慢の限界に達した重岡がこちらに近づいてきて強めに私の肩を掴む

｢っ、お前なあ！｣



ごめん、ごめんって



尚も何も言えない私に呆れた重岡が掴んだ肩を突き放して部屋に向かう

私は思ったより強い勢いに抗えず、そのまま膝から崩れ落ちた






｢、、おいっ！名字！｣

しばらくして重岡の声がする

座り込んで壁に寄りかかったままの私の元に届く重岡の香り


やっぱ優しいじゃん
結局エレベーター乗る時かなんかに振り返ってくれたんでしょ

でも今は責めてほしい
頑張れない最低な自分に優しくしないで


もう開けられないと思った目を気力で開いて重岡を見る

なんか言わなきゃ、口を開いてみるけど声が出てこない


｢無理して喋らんでええから｣

私のおでこに手を当てるとため息をついた

そのまま俯くとごめん、と一言


｢ちょっと揺れるで｣

いとも簡単に体が持ち上げられた所で限界が来たのか、目の前が暗くなった






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿評価やお気に入りしてもらえると喜びます( ´ ` )

26→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す