73《竜胆Side》 ページ23
「…チッ……。」
鳴り響く銃声の中、俺はテーブルを盾に隠れて、舌打ちをした。
殴られた頭からは血が流れ、斬りつけられた左腕は感覚がない。
足元に転がって動かない部下の胸元を探って銃の弾を抜くと、自分の懐にしまった。
今日は賭場で取引の予定だったが、その情報が漏れていた様だ。
【兄貴やられた】
【前に潰した組の残党っぽい】
前に潰したというのは、Aの写真を持っていた所だ。
一抹の不安がよぎるが、今は生き残る事を考える。
【すぐ向かう】
【死ぬなよ】
兄貴から返信は早くて、場所が割れない様にすぐにスマホを閉じた。
視界が霞む。
クソ、血流しすぎたか。
「灰谷ぃぃいい！！どこに隠れた！？」
敵の怒号が部屋に響き渡った。
取引の為、部下をぞろぞろと連れいくわけにもいかなかった俺は数人しか連れていなかった。
その部下も全員やられた様だ。
刹那、銃を乱射する音が響き渡る。
「うっ……ぐ…。」
元々、銃を何発か撃ち込まれていたテーブルは脆く、乱射に耐えきれずに弾は俺の体を貫いた。
銃弾は俺の左脇腹を貫通して、スーツに赤いシミを広げていく。
これまでか。
薄れゆく意識の中で思い出したのは、兄貴でも梵天の仲間でもなく、Aの笑顔だった。
部屋に近付く大勢の足跡に、兄貴達が到着した事を悟る。
もし、生きていたらAを迎えに行こう。
約束を守るんだ。
「竜胆…！！」
兄貴の声を最後に俺は意識を手放した。
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名無し(プロフ) - 葉月さん» 葉月さんコメントありがとうございます！なんと嬉しいお言葉😭私も灰谷兄弟が好きで、次の新作は蘭ちゃんで書こうかなと思ってます…！最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ (2021年10月21日 11時) (
レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - まよさん» まよさんコメントありがとうございます！最後までお付き合いいただきありがとうございました！続編は検討中ですが、この先のお話も書きたいものがありまして、番外編を書こうかと思っております🙇♀️ (2021年10月21日 11時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 鮭るすさん» 鮭るすさんコメントありがとうございます！作者も竜胆さんと別れる時は泣きながら書きましたw自分の作品で泣いてくださる方が居るというとは幸せです😭最後までお付き合いいただきありがとうございました！新作ができたらまたぜひ🙇♀️ (2021年10月21日 10時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - I’m海月さん» I’m海月さんコメントありがとうございます！涙して下さったんですね…作者として本当に嬉しいです😭お気遣いありがとうございます！最後までお付き合いいただきありがとうございました🙇♀️ (2021年10月21日 10時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - ATR214YSさん» ATR214YSさんコメントありがとうございます！無事完結いたしました！最高だなんて嬉しいです😭最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました！🙇♀️ (2021年10月21日 10時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2021年10月13日 12時
