教育係の田中さん。［更新停止］ (ページ4)

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「A、飯行こ」

ランチの時間になれば慎ちゃんが誘ってくれる。

『行く～』

「どこ行くの？」

タイミングよく会議から戻って来た田中さんが、

席を立ったわたしに聞いてくる。

『森本くんとお昼に行ってきます』

「行ってら～」

って言うから行こうとしたら

ガシッと腕を掴まれて

「俺も行く」

って言ってくる。

『えっと』

なぜ一回、行ってらって言った？

「やっぱ俺が居たら邪魔？」

って目をうるうるさせて聞いてくる。

『いえ、行きましょう

むしろ、一緒に来てください』

ほんとさすが爆モテじゅったんだよ。

何度その目で女の子を落としてきたのでしょうか。

「慎太郎も、いい？」

「え、もちろんすよ」

慎ちゃん、田中さん、わたし。

謎のメンツ。

「何食べんの？」

「いや、田中さんが行きたいところで」

「俺、ご飯に興味ないんだよね」

じゃあなぜついて来た？

なんてもちろん言えないし、

「あ、じゃあ俺が行きたいところでもいいすか？」

って言う慎ちゃんの後を大人しく歩く。

「俺、ピザ食べたかったんだよね～」

なんてワクワクしながらいう慎ちゃん。

みんなでワンコインピザ屋さんに来た。

『美味しそう』

「でしょ？帰ってるときに見つけた」

『慎ちゃん、天才』

「まあね」

ってドヤってる慎ちゃん。

「2人ってさ、」

『はい？』

「元々知り合いだったの？」

『いやいや、』

「入社式で隣同士だったんすよ」

「じゃあまだ出会って2週間くらい？」

『そうですね』

「そんな雰囲気に見えないわ」

『え、どう見えます？』

「んー、幼馴染とか？」

「あー、ないっすね」

『ねえ、なんなの』

くだらない私たちのやり取りを見て

ハハって笑う田中さん。

なんか、田中さんの笑い方好きだなって思って見てたら

ふと目が合って

「ん？」

って笑顔のまま言ってくるから、

『いえ、』

って言うのが精一杯だった。

注文して運ばれてくるのを待ってる間

ずっと慎ちゃんがボケ続けて、

田中さんが突っ込むっていう

コントみたいなやりとりを永遠に見せられてた。

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