教育係の田中さん。［更新停止］ (ページ1)

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『あ、おはようございます』

「あ、Aちゃん、

はよー」

この人は田中さん。

わたしの教育係。

入社3日目のわたし。

名前呼びする田中さん。

うん、恐ろしい。

「A、おはよ

昨日の酒抜けた？」

この人は慎ちゃん。

わたしの同期。

入社式も隣で、配属先も一緒で、意気投合した。

『え、わかる？

まだちょっと頭痛いの』

「昨日まじで飲んでたもんね」

そう慎ちゃんが言えば、

「え、昨日慎太郎とAちゃん飲みに行ったんだ」

隣の席の田中さんが話に入ってくる。

「そうなんすよ。

酒がないとやってらんないらしいっすよ」

『ねえ、そんなこと言ってない』

「いや、言ってた。

Aベロンベロンになってたから覚えてないだけ」

そう言う慎ちゃんを睨めば、

ハハッ！っていたずらに笑う慎ちゃん。

「ね、Aちゃん」

『はい』

話を聞いていた田中さんが

ぐいっとわたしの方に椅子を寄せてくるから

思わず身構えてしまう。

「俺の教え方のせい？」

やめてください。

そんなうるうるした目で聞いてこないでください。

『そんなわけないじゃないですか』

「うん、だよね」

そう言って椅子を戻して座り直してる田中さん。

『あれ？』

あの目は一体。

騙されるな、わたし！

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