memories__① (ページ1)

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彼氏を作る気なんてなかった。

高1の夏休み。

今付き合っている裕太は5つ年上の大学生だ。
中2のときに初めて付き合って以来別れたり付き合ったりを繰り返して何だかんだ私はどっぷり沼に浸かってる。

そうは言っても裕太はとてもじゃないけど"理想の彼氏"とは程遠い。

アパレル店員をやっているだけあって服のセンスはいいけど顔は正直中の中、お世辞でもイケメンではないのをファッションで誤魔化している節がある。

本人はイケメンではないと自覚はしているようだがカッコつけたがりで私は内心カッコつけマンなんて呼んでいる。

出会いは元々いわゆるオタ友同士で、好きなアーティストが多く被っていることで意気投合した。

しかし付き合ってからも他の女オタに絡みまくったり、別れたと言っていた元カノと別れていなかったり。

いちいち追求はしていないがいわゆるクズ男だ。

それでも何度もヨリを戻している私は本当にバカだと思う。

今だってそう。

先週末の夜、課題が忙しくて電話できなかったはずの彼のSNSには翌朝別の女の子との通話のスクショが載っていたし、今日はまた別の女の子とサシで飲みに行っているらしい。

もちろん事前相談なんてものはない。

ここまで来ると悲しみより先にまたかよと思ってしまうし、向こうが女友達作りまくるならこっちも男友達作っちゃえ。

そんな軽い考えだった。