検索窓
今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:128,846 hit

42、恨んでいる者 ページ43

直哉は指をパチンと鳴らす。




…その瞬間だった。
背中に違和感を感じる。
まるで、何か異物が刺さっているような。




……刺さっている?何が?




「ゴホッ」




頭の中が疑問であふれる中、口内いっぱいに一瞬で鉄の味が広がった。
わけが分からず後ろを見る。




「…は」




腰の辺りに銀色に光るナイフが刺さっていた。
それを握っているのはまぎれもなく




「…A」




死と隣り合わせの任務は沢山経験してきた。
それなのに殺気も何も感じなかったことに、国木田は動揺を隠せなかった。
ナイフが抜かれ、心臓の音と共にドクドクと血が流れる。




ドンッッ!




咄嗟にAを突き飛ばす。
少女はなんの抵抗もすること無く、またもや人形のようにふらりと倒れた。




「何故だ…お前は俺を殺すのが目的なんだろう!Aは何も関係ない、異能を解け!!」




その言葉に直哉は乾いた笑いを漏らす。




「関係ない?大有りだよ!お前を恨んでるのはこの子も同じなんだから」




「は、何を言って…」




そんなわけない、と立ち尽くす国木田を横目に、直哉はAに声をかける。




『こっちにおいで』




すると、倒れていた少女は何事も無かったかのように起き上がり直哉の元へ歩いて行った。
彼は嬉しそうにAの髪を撫でる。




「信じられないなら、この子の本音を聞いてみようか」




『ずっと秘めていた想いを話してご覧』




Aの光の無い目がゆっくりと国木田を捉える。
人形のような桃色の唇が僅かに開いた。

43、歪んだ視界の先に→←41、僕にしか従わない



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
178人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 国木田独歩 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆいたろー!(プロフ) - ぺぽんさん» わー!有難う御座います!この作品また見たいと思ってたので嬉しいですッ!! (1月24日 21時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - お相手の作品が削除されたことを確認しましたので、再び公開しようと思います。これからもこの作品をよろしくお願い致します。 (1月15日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» ゆいたろー!さん、申し訳ありません。悩んだ末、二章以降を非公開にすることを決めました。こちらを読んでくださる人もいることは重々承知していますが、このまま盗作され続けるのは嫌でした。 (1月10日 18時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» 完結した後でも作品を読んでくれている方がいるのは、とても嬉しいです。作品を書き続ける活力になります。これからもこの作品をお楽しみください。他にも作品を投稿しているので、お時間があればそちらもぜひ。 (1月10日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - いえいえ、お役に立てて光栄です。これからもこの小説楽しませていただきます (1月10日 17時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年5月7日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。